ゴーン氏披露宴にルノー資金不正使用?統合危機迫る日産の救出策あるのか

2019年02月08日 17時00分

ゴーン被告(左)とキャロル夫人(ロイター)

 フランス自動車大手ルノーは7日、会長兼最高経営責任者(CEO)だったカルロス・ゴーン被告による会社資金の不正使用疑惑について、司法当局に通報することを決めたと発表した。ゴーン被告を巡っては、会長を務めていた日産自動車で多くの不正疑惑が浮上。ルノーでも不正を行った初の例となる可能性がある。

 フランス紙フィガロによると、ゴーン被告が2016年10月に同国のベルサイユ宮殿で結婚披露宴を開く前の同6月、ルノーが宮殿の修復を財政支援する企業メセナの契約をベルサイユ側と締結。見返りのサービスの一つとして宮殿の無償使用が認められた。

 ルノーは発表で「ベルサイユ宮殿とのメセナ契約の枠内で、5万ユーロ(約620万円)相当の対価がゴーン氏の個人的利益として与えられていた」と指摘。メセナの金額は明らかにしていない。ルノーは日本でゴーン被告が逮捕された昨年11月から、同社でも不正がなかったかどうか内部調査を行っており、その過程で今回の疑惑が見つかったという。これまでゴーン被告をかばってきたフランス政府とルノーだが、切り捨てることによって、日産との経営統合をスムーズにしたいのだろう。

 警鐘作家の濱野成秋氏は「このままだとマクロン大統領の筋書きどおりになってしまう。(ルノーから派遣された)ゴーンの起用で大量の首切りと工場底地の転売、子会社潰しと株式売却という荒療治をしたかいあって、12兆円企業となった日産が全部、フランスに取られる」と語る。

 ルノーの筆頭株主はフランス政府。そして、ルノーの日産に対する持ち株比率は43・4%で、議決権がある。濱野氏は「国益を重んじるならば、資金注入して日産を一時国営同然にし、パーセンテージの上でもルノーより優位に立って日産株を買い支えることは可能である。バブル経済が崩壊した時、政府は主要企業をこの注入策で救った前例があり、今回もこれに当たる」と話している。