第二湾岸 18年ぶり建設再始動を心配する野鳥愛好家

2019年01月29日 07時30分

 渡り鳥の重要な中継地点がなくなる!? 石井啓一国土交通相が先ごろ、東京と千葉を結ぶ第二東京湾岸道路の建設に前向きな姿勢を示したことで、多くの野鳥愛好家らが気をもんでいる。

 もともと東京湾岸地域は渋滞が激しく、長らく建設が熱望されていた。しかし、建設ルート上には東京湾最奥部にある渡り鳥の重要中継地点である干潟「三番瀬」(千葉県船橋市など)が含まれており、保全を求める団体が埋め立て計画に反対し、2001年に堂本暁子前千葉県知事が白紙撤回していた。

 それから18年たち、突然の建設計画再始動。これには野鳥愛好家たちも警戒感を隠さない。というのも、建設コストを考えると、海底トンネル型ではなく橋梁型となる可能性が高く、そうなれば当初の建設ルート上だった三番瀬が埋め立てられる可能性があるからだ。

 船橋市在住の野鳥愛好家は「三番瀬は渡り鳥のシギやチドリの重要中継地点。近年はラムサール条約によって世界的に干潟の保全が進んでおり、あの中国でさえ、干潟の埋め立てを見直す動きが活発化している。それが一度は白紙撤回された第二東京湾岸道路の建設が再検討され、三番瀬が埋め立てられるかもしれないのは残念だ」と声を上げる。

 過去には絶滅寸前といわれるヘラシギやカラフトアオアシシギが観察されており、生物多様性の面から保全を求める声は強いという。

 一方で、前出の野鳥愛好家は「三番瀬の保全も渋滞緩和もどっちも大事なこと。できることなら、2つを両立できる形で実現してもらいたい。一番ダメなのは感情的になって建設に反対すること。非論理的な訴えは、逆に一般の方々の支持を失うことになりかねない」とも指摘する。

 また、三番瀬は都心から一番近い潮干狩りスポットとして愛好家に親しまれている。環境保全か利便性向上か、はたまた2つの両立か。野鳥愛好家たちは注目している。