インフル新薬 早くも耐性ウイルス

2019年01月29日 07時00分

 インフルエンザが全国的に猛威を振るうなか、国立感染症研究所は先日、新たな抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」(塩野義製薬)を投与した患者から、耐性変異ウイルス(薬の有効性が弱くなる可能性のあるウイルス)が検出されたと発表した。

 治験で12歳未満の子供の23・4%、12歳以上も9・7%に服用後、耐性ウイルスが出ていた。同研究所の調査でも、横浜市の2つの小学校で昨年12月、インフルエンザが集団発生。4人の患者の検体を調べたところ、感染後にゾフルーザを服用した子供2人から、耐性ウイルスが検出された。このウイルスは、ゾフルーザの効き目が最大で120倍低下することが明らかになった。

 ある医療関係者は「これまでも薬が作られるたびに、ウイルスもそれに打ち勝つように変異し、いたちごっこの状態だった。治験の段階から耐性ウイルスの問題点は指摘されていましたが、昨年3月の発売からそんなに日もたっておらず、もう耐性ができたのかという印象ですね」と話す。

 インフルエンザ治療薬といえば、経口薬のタミフル、吸入薬のリレンザ、イナビルなどが有名だ。これらが細胞内で増殖したウイルスが飛び出すのを防ぐ仕組みなのに対し、ゾフルーザは細胞内でウイルスの増殖を遮断する。また、タミフルは1日2回、5日間飲み続けなければならないが、ゾフルーザは1回飲むだけで済む。効き目と使い勝手の良さで注目を集め、発売以降、急速に売り上げを伸ばしてきた。

 今回検出されたウイルスが広まると、ゾフルーザは効かなくなるので使えない。

 別の医療関係者は「皆さん、1回飲んで熱が下がると、すぐにいつも通りに行動してしまいますが、高熱が出ることで体には負担がかかっている。病気のときは本来、ゆっくり体を休めるのがベスト。5日間飲むのが面倒なのはわかりますが、体を休める目安にもなる」とタミフルを推奨している。