代表追放…無知では済まないナチス式敬礼の危なさ

2013年03月24日 16時00分

 歴史問題はやはり難しい。ギリシャのサッカー連盟は、国内のリーグ戦でナチス式敬礼をしたAEKアテネのMFヨルゴス・カティディス選手(20)を、代表チームから永久追放することを決めた。同選手は16日の試合でゴールを決めた後に、右手をピンと伸ばして上げるパフォーマンスをしていた。これがナチス賛美と捉えられたのだ。

 同選手はU―19代表の主将を務めたエース候補だったが、一発アウトとなった。問題となった右手を斜め上方に上げるポーズは確かにナチス式敬礼とそっくり。もともとはローマ帝国で行われていたローマ式敬礼だがナチスドイツが採用したことで、欧州ではナチスの象徴ともなっている。

 同選手は「意味を知っていたら、やらなかった…」とナチス賛美の意図を否定しているが、時すでに遅し。それほど欧州では、ナチスへの嫌悪感が強く、国によっては犯罪行為だという。

 実は日本では知らずのうちにナチス式敬礼が広まっている。元高校教師は「体育祭で生徒が運動場を行進するときに、ナチス式敬礼をするのが慣習としてありました。私が担任していたクラスには『ナチス由来のものだからやめるように』と話したこともありましたが、現場ではそういった事情も知られておらず、なかなかなくなりませんでした」と明かす。

 中高生のころ、行進の時に「かしら~右!」と右手を上げるポーズをした経験は多くの人にあるのではないだろうか。実際のところ、1936年のベルリンオリンピックからナチス式敬礼を取り入れたのか、あくまでローマ式敬礼なのかと諸説ある。

 もっとも、海外では「知らなかった」で済まないことはギリシャ選手をみれば分かる通り。外国人の前ではくれぐれも気をつけよう。