山形市消防本部は10日、通信指令課に勤務していた男性職員が、女性職員の仕事用の靴を故意に体液で汚し、先月依願退職したと明らかにした。

 同本部によると、男性は昨年4月9日夜、休憩中に消防本部の会議室の一角を仕切った女性更衣室に入り、靴の中を体液で汚したとされる。内部調査では誰の仕業か判明しなかったが、女性はよほど腹に据えかねたのだろう。5月、山形県警山形署に被害届を出した。

 署が11月、消防本部の職員約40人にDNA型鑑定への協力を要請。さすがに逃げ切ることはできないと悟った男性が名乗り出て「誰の靴かは知らなかった。迷惑をかけて申し訳ない」と行為を認めた。男性は女性と示談して退職の意思を示したため、同本部は懲戒処分を見送った。

 本部は女性更衣室を別の場所に移し、近くに防犯カメラを設置するなどの対策を取った。山形の消防関係者が後ろ指をさされそうな恥ずかしい出来事に、平吹正人消防長は「市民の信頼を失墜し申し訳ない。被害者におわびする」とコメントした。不祥事を起こしても懲戒処分を逃れた公務員は、しれっと退職金だけ受け取るものだが、この男性は受け取らなかったという。

 フェチに明るい事情通は「備品は他にもある。靴を狙ったのは、足フェチの変態さんなのだろう」と語る。しかし「誰の物か知らなかったと言っているが、その点はうのみにできない」と指摘する。

「臭ければ誰の物でもよいという人もいる。女子校などに侵入して靴箱を片っ端から物色して一番臭い靴を盗むやつがそれ。更衣室に何度か侵入して、気に入った臭いの靴の持ち主のことを好きになった可能性もある。ただし、普通は好意を持つ相手の靴を狙う。同じ職場で働いているのなら、なおさらこの女性職員を気にかけていたに違いない。おそらく仕事中も彼女の顔を見ては、足を見て、と忙しくしていたはず」(同)

 靴にぶっかけて汚すことで興奮するのか、それとも靴に興奮して思わず発射してしまったのか。変態の心理は理解しにくい。