近江鉄道ミュージアム閉館 希少電気機関車がたどる暗黒の道

2018年12月28日 17時00分

鉄道遺産は解体されるのか…

 貴重な鉄道遺産が消え去ろうとしている。近江鉄道(滋賀県彦根市)は、電気機関車などの車両などを展示していた「近江鉄道ミュージアム」を12月に閉館。毎月1回無料公開されていたが、8日の「感謝祭」が最後の公開となった。

 展示していた電気機関車は大正時代に製造されたもの。2台ある凸型のED31形は、1923年に芝浦製作所などが製造。また、4両あるED14形は、国鉄が東海道線電化開業時に輸入したもので、26年に米国ゼネラル・エレクトリック社で製造されている。

 この他には元・阪和電気鉄道(現・JR阪和線)で働いていたロコ1101形もある。これは、30年に車体を日本車輌、電気機器類を東洋電機が製造したもので、51年に近江鉄道に来た。これらの鉄道遺産が一気に消えてしまいそうだ。

 近江鉄道広報課は「近江鉄道ミュージアムは2007年にオープンしました。老朽化に伴い安全面を優先して解体することになりました。これまで展示していた車両7両は、維持費用の面から解体する方向となっています。引き取り手がない場合は、年度内には、順次解体されることになると思います」と語る。

 公開最終日、彦根駅に掲示されていた張り紙を鉄道マニアが見つけると騒然となった。その張り紙には、以下のようなことが書かれていた。

「会社から『言うな』と言われているので詳細は申し上げられませんが、これから彼ら(電気機関車)が進む道の先は暗黒そのものです。もしこのイベントで少しでも感じることがありましたら、その感じたことを教えてください。もはや現場の社員がいくら声を上げようと取り合ってくれません。お客様の声が、暗黒の道に街灯を灯すことになるかも知れません」
 名義は、「近江鉄道鉄道部」となっていた。

 現在、これらの機関車は、敷地外からも見ることができる。鉄道マニアならずとも、その最後の姿をカメラに収めておきたい。