19年に日朝首脳会談実現できるか カギ握るのは金正恩氏ではなく妹?

2018年12月28日 17時00分

金与正氏(ロイター)

 日米両政府は、安倍晋三首相とトランプ大統領が2019年1月22日からスイスで開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席するのに合わせ、首脳会談を開催する方向で調整に入っている。

 会談は3月にも始まる日米通商交渉についての議論のほか、北朝鮮問題での対処方針をすり合わせる見通しだ。一方、19年は安倍首相と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の日朝首脳会談が実現するかに注目が集まっている。

 政府関係者は「2回目の米朝首脳会談は、北朝鮮が『我々の核より米国の核の脅威の方を先になくすべきだ』と主張し、米国が反発し調整が難航している。北朝鮮の非核化問題解決に向けた交渉は一歩も進んでいない。日朝首脳会談実現のカギは、北朝鮮が元日の正恩氏の施政方針演説に当たる“新年の辞”で何を発表するかだ」と話す。

 正恩氏は18年の新年の辞で「核のボタンは私の机の上に置かれている」と朝鮮中央テレビを通じて話し、経済制裁などの圧力を強める日米をけん制。だが、6月にシンガポールでトランプ米大統領と正恩氏の歴史的な米朝首脳会談が実現し、軍事衝突が回避されるなど、新年の辞は1年間の政策に反映されなかった。

 朝鮮半島情勢に詳しい関係者は「正恩氏は10月に朝鮮労働党幹部に向けて『我々に対する、日米の経済制裁の凶悪な本心は変わっていない。自給自足、自力更生のスローガンを掲げる』とした。経済制裁の影響で深刻な食糧不足に見舞われている。地方の国民は松の木をはがして草を抜いて“草がゆ”を食べている」と現状を語る。

 日朝首脳会談の実現に向けては正恩氏の妹・金与正氏の動向が気になる。日本の公安関係者は「正恩氏は意思決定する際、側近より妹の与正氏に相談して決めている。今の北朝鮮は“金兄妹国家”とみていい」と分析。妹が日本とどう向き合うかが注目される。