商業捕鯨再開へIWC脱退も懸念される反対派の五輪利用

2018年12月21日 17時00分

 政府が約30年ぶりの商業捕鯨の再開に向け、クジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めたことが20日、分かった。政府関係者が明らかにした。来週にも表明する。日本近海や日本の排他的経済水域(EEZ)内で行う方向で調整している。

 9月にブラジルで開かれたIWC総会で商業捕鯨の再開提案が反捕鯨国の反発で否決され、脱退により局面を打開する必要があると判断した。日本の提案は資源が豊富な一部鯨種の商業捕鯨についてのものだった。

 今後IWCに残ったままでの商業捕鯨再開は極めて厳しくなったため、日本政府は「あらゆる選択肢を精査する」と脱退の可能性に言及。来年脱退するための通知期限が来月1日に迫っていた。

 IWC設立条約の規定ではIWC側に脱退を通知すると、原則翌年の6月30日に発効する。日本はIWCから脱退した場合、商業捕鯨を再開できる見通しだが、IWCの加盟が条件となる南極海での調査捕鯨ができなくなる。政府はIWC脱退後、南極海で商業捕鯨は実施しない方向だ。

 脱退時の管理に当たってはIWC科学委員会へのオブザーバー参加や、捕鯨国ノルウェーなどがつくる国際機関、北大西洋海産哺乳動物委員会(NAMMCO)との連携などを視野に入れる。

 日本は1988年に商業捕鯨をやめて、再開に向けて科学的データを収集するため、南極海や北西太平洋で調査捕鯨を続けてきた。

 政府関係者は「日本は今年も調査捕鯨を行い、イワシクジラなどの資源回復を確認している。しかし、反捕鯨国が過半数のIWCにおいて、理詰めで説明しても、種の保存とは関係のないところで反捕鯨運動をされている」と語る。

 ただし、脱退のタイミングが悪く、反捕鯨運動が強烈になりそうだ。

「反捕鯨団体シー・シェパードが2020年の東京五輪という、世界の目が集まるイベントの場で大々的なアピールをしようと考えているようです」と同関係者は指摘している。