アジア勢が良くも悪くも話題独占「ミス・ユニバース」フィリピン代表優勝/SNS被害

2018年12月20日 17時00分

【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】今年のミス・ユニバース世界大会(17日、タイ・バンコク)は、アジア各国代表のミスが良くも悪くも話題を独占した。

 シンガポール代表ザハラ・ハヌムさん(23)は、裾を広げるとアメリカと北朝鮮の国旗が握手している柄が見える斬新ドレスを披露。6月にシンガポールで開催された米朝首脳会談にちなんだわけだが、「ミスコンに政治を持ち込むな」「会場になっただけなのに出しゃばりすぎ」などと批判殺到。地元民からも「シンガポールの恥」とコキおろされ、結果、入賞は逃した。

 またカンボジア代表ナット・レーンさん(22)は、米国代表サラ・ローズ・サマーズさん(24)がアップしたインスタ動画で小バカにされた。

 そこにはサラさんが、オーストラリア代表フランチェスカ・ハンさん(24)、コロンビア代表ヴァレリア・モラレスさん(20)といやらしく笑い合いながら「あの子、英語全く話さないよね。彼女の言葉を分かる人なんて誰もいないし。すごく孤独でかわいそうなカンボジア」などとディスる姿が…。

 動画を見てしまったナットさんはショックを受け反撃。泣きながらカンボジア語で訴える動画をインスタにアップし、同情を集めた。

 サラさんらはその動画で、ベトナム代表ヘン・ニーさん(26)のことも「あの子は英語を話せるフリしてるけど、全然分かってないよね。話したあと何聞いても笑ってうなずくだけ」とあざ笑った。投稿はすぐ削除されたが、アジア人をバカにした差別発言と取られ、動画は瞬く間にネット拡散。サラさんは謝罪するも時すでに遅し。彼女のインスタは大炎上中だ。

 ミス・ユニバースの本部はニューヨークにあり、出場者は美貌だけでなく、知性や社会性、コミュニケーション能力も問われる。主催国の強みか、サラさんはトップ20入り。問題動画に出てきたオーストラリア代表もトップ20止まりで、コロンビア代表は圏外だった。カンボジア代表も入賞を逃したが、ベトナム代表はトップ5に入った。

 そんな中、南アフリカ代表、ベネズエラ代表と決勝に残り、優勝したのはフィリピン代表カトリオナ・グレイさん(24)。歌手やモデル、女優として活動している文武両道の才媛で、4人目のフィリピン代表優勝となった。

 今年の大会は66年の歴史で最多となる94か国からミスが出場。スペイン代表は元男性で、公に認められたトランスジェンダーの出場は初。なお、日本代表はセーラームーンのコスプレで挑んだが、入賞を逃した。

 しかし多様性が世界的に求められる今の時代に、SNS世代のおバカ女子を国の代表に選ぶとは、米国も落ちたものだ。(室橋裕和)

☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「おとなの青春旅行」(講談社現代新書)。