江戸時代から日本にいるのに「マダラサソリ」売買はNG 3人を書類送検

2018年12月13日 17時00分

 日本では八重山諸島、宮古島、小笠原諸島に生息する特定外来生物「マダラサソリ」を売買したなどとして、警視庁生活環境課は12日、外来種被害防止法違反の疑いで、松山市の男性航空管制官(35)や横浜市の男性クラリネット奏者(28)ら3人を書類送検した。「国内にいるサソリなんだからOKだろう」というのは大間違い。2005年6月に特定外来生物として指定されているからだ。

「禁止されていることは分かっていたが、小遣い稼ぎのためにやった」と書類送検された航空管制官は供述している。16年12月ごろにネットオークションで、マダラサソリ25匹を1万円で男性奏者に販売した容疑を認めている。沖縄県宮古島で勤務していた際、路上で捕まえたマダラサソリを出品。15~16年に約400匹を販売し、約28万円を売り上げていたという。他2人は売買、飼育した疑い。

 環境省の外来生物対策室によると、キョクトウサソリ科のマダラサソリは、05年6月1日に特定外来生物として指定。ところが、サソリファンたちは「マダラサソリは“ブラック”だったのか。飼育可能だと思っていた」と驚きの声を上げている。

 1920年代に輸入された淡水魚のブラックバスは、特定外来生物として飼育や売買の禁止が広く認識されている。しかし、マダラサソリは八重山諸島に江戸時代から自然分布している(諸説あり)。

 もはや「昔からいた生き物」と認識しているマニアも少なくないため「駄目だとは知らなかった」と驚きをもって受け止められている。それでも法律上、駄目なものは駄目だが…。

 爬虫類やサソリの専門店「Pumilio(プミリオ)」の店長・西澤雅さんは「10年前よりサソリのファンは増えている。ザリガニが好きな日本人にとって、共通するハサミ、それに毒針が格好いいと人気です」とファン心理を解説。マダラサソリの特定外来生物指定には「専門店で働いているなら知らないじゃ済まないけど、一般の方で知らない人は多いと思う」と話す。

 西澤さんは指定前、石垣島に捕まえに行ったというが「結構難しくて、一日に2匹しか捕まえられなかった」。マダラサソリに刺されたこともあるが、どんな感覚なのか。「まあまあ痛いです。ピリッとするだけ。蜂に刺されるほうが100倍痛い」

 海外のキョクトウサソリの中には毒性の強い種類もおり、西澤さんの知人は何度も刺されてひどい目に遭った。「呼吸ができなくなって一日中うなされていた。でも、少なくともマダラサソリに刺されて死んだ人はいない」

 今回の無許可売買摘発はプロとして歓迎している。「まっとうに商売をしている者がバカを見ることになってはいけない。販売が許されているサソリを輸入するときは、経産省に書類を提出して許可を取ります」(西澤さん)。法を守り、煩雑な手続きやルールに従う人こそ、守られなければいけないのは当然だ。

 先の外来生物対策室は「特定外来生物は148種いて、優先順位をつけて広報活動を進めていく。今年はヒアリ、マングース、ガーを特に啓発した」としている。