島を訪れた米国人宣教師を弓矢で殺害? 外部との接触拒むセンチネル族の謎

2018年11月23日 17時00分

 インド東部アンダマン・ニコバル諸島の警察は22日までに、同諸島の北センチネル島を訪れた米国人宣教師のジョン・アレン・チャウさん(27)が、地元部族・センチネル族に弓矢で殺害されたとみられると明らかにした。警察によると、チャウさんは現地でボートを手配し、地元の漁師に手助けしてもらい島に上陸したという。

 同島は、インド本土から1000キロ前後の沖合にある。島の保護目的により、5海里(約9キロ)以内は立ち入り禁止となっている。

 このセンチネル族は約5万年前にアフリカから渡り、島に住みついて以降、外部との接触はほとんどない希少な人々だ。そのためインドの法律で保護対象となっている。当然、同部族の言語を理解できる者はおらず、生活様式なども明らかになっていない。農業のこん跡が確認されていないため、狩猟民族なのかもしれない。

 スマトラ島沖地震(2004年)の発生当時には、政府が島に救援物資を届けようとヘリで近づいたが、部族は火のついた矢でヘリを追い払ってしまったという。

 うっかりも意図的も含め、ボートで島に近付いた人が部族に矢で殺害されているが、島に接近すれば攻撃されるので、遺体の回収はできない。近年、島を上空から撮影するためにドローンを飛ばしたところ、矢で落とされたという。

 なぜ外部との接触を拒むのかははっきりとは分からない。この島のウオッチャーは「5万年隔絶された部族には、島外からの感染症への免疫がない。インフルエンザが入ったら、全滅するとも推測される。それを自覚しているのかどうか不明だが、本能的に島に外部人を入れないようにしているのでは」と推測する。

 1991年にはある文化人類学者が島の部族にココナツを手渡し、接触に成功している。

 部族民の数は2011年の公式記録で男13人、女3人の合計15人とされている。前出の文化人類学者はリポートで「私が島に初上陸した1967年、島民は約100人とされ、70年代~80年代には30~40人の住民をこの目で見た。今も30人くらいは存命だろう」と記している。