2025年前後にも日本国内での開業が予定される、カジノを含む統合型リゾート(IR)を前に事業者も熱を帯びてきた。「カジノ・オーストリア・インターナショナル」(CAI)が5日、都内の駐日オーストリア大使館で会見し、日本でのIR事業への参入を表明した。

 CAIはオーストリア政府が大株主の“国営企業”でオーストリアのみならず、欧州を中心に35か国以上でカジノ事業を手掛けている老舗だ。

 日本進出に当たって、窓口となるCAIジャパンは林明男氏が代表を務める。林氏は歌手・小林幸子の夫で、再生医療を手掛ける「TESホールディングス」の社長でも知られる。

 林氏は「クオリティーの高いものを目指しているヨーロッパ型のカジノに感銘している。買い物、食事をしながら時間の余裕があれば遊んでみるというゆとりのあるロハス的なカジノを目指したい。本業は医療なので、(IRの中に)世界最高の医療を提供する医療モールを造りたい」と抱負を語った。オーストリアが誇るウィーン少年合唱団やフィルハーモニカ管弦楽団などのコラボ案も披露した。

 IRについては政府もこの日、有識者会議を首相官邸で開き、中核となるホテルの規模を海外のIR並みとする案を示した。出席者から異論は出ず、国内にこれまでない大型ホテルの整備が要件とされる方向となった。

 政府が示した資料によると、海外のIRにあるホテルの平均客室数は2495室で、面積は最も狭くても平均40平方メートル。一方、帝国ホテルなど東京都内の代表的な3ホテルの平均は930室、29平方メートルとなっている。

 政府案は、客室の数や面積を具体的には示さず「外国のIRの総客室数をベースに1部屋当たりの客室面積などを考慮し、具体的な総客室面積の下限を設ける」とした。

 国際会議場と国際展示場は「複数の一般的な規模のイベントがそれぞれ同時開催できる規模」などとする3案を提示。施設内容や収容人員などで、日本を代表する水準を求めた。

 どんなホテルや会議場ができるのか…。