国会は5日から参院予算委員会に論戦の舞台を移し、2018年度補正予算案を審議する。野党は新閣僚の資質などを追及。補正予算は7日成立の見込みだ。その後は、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案が焦点。与党は8日の審議入りを狙う。野党は「欠陥法案だ」と対決姿勢を強めており、攻防が激化しそうだ。

 同改正案の目的は深刻さを増す人手不足を解消するため、これまで認めていなかった単純労働分野への外国人就労を可能とする。政府は今国会で成立させ、来年4月1日に施行したい意向だが、野党側は「移民政策だ」と反発している。

 高度な専門人材に限っていた受け入れ政策の転換で、多くの外国人が働き手として来日することが見込まれ、日本社会が大きく変容する可能性がある。すでに都心部のコンビニは、外国人バイト店員が流ちょうな日本語で接客。建設現場でも外国人労働者を見かけることが多くなった。平成30年版「警察白書」によると、来日外国人の国籍別総検挙件数(2017年)は、ベトナム人が中国人を抜いて最多を記録した。

 警視庁関係者は「ベトナム人による集団万引きが増加傾向にある。実行犯は、技能実習生や留学生など正規滞在者。盗品を母国の知人に転売する。指南役は海外にいてSNSを利用して指示を出す。彼らは万引きで逮捕されても直ちに在留資格が剥奪されることがないため、SNSを通じてバイト感覚で何度も犯罪に加わっている」と語った。

 この数年、窃盗や詐欺だけでなく、外国人による殺人や強盗、強制性交等などの凶悪犯罪が目立っている。

「去年、外国人による殺人は35件、強盗59件、レイプ等40件が検挙された。外国人犯罪は減少していたが、1998年以降としては最高だった2004年の検挙率に戻る可能性がある」(同関係者)

 ある野党議員は「来日外国人が増えれば犯罪が増えるのが道理というもの。まず警察や入国管理局の対応が先だ」と話している。