オスプレイが低空飛行訓練を日本で行う“特殊な理由”

2013年03月07日 16時00分

 米軍の新型輸送機オスプレイが6日、沖縄・普天間基地から山口・岩国基地に移動。この間に四国で低空飛行訓練が行われ、沖縄配備後、本土でも訓練が開始された。この低空訓練は米本土では行われておらず、日本でしかできない理由があるという。オスプレイは、ヘリコプターとプロペラ輸送機を融合させた新型機で、有事の際には海兵隊を真っ先に派遣する役割を担う。同機はグアムやオーストラリアでも訓練を重ねているが、日本だけで行われているのが、山間部の谷筋を縫うように飛行する低空訓練だ。通常飛行よりもリスクが高い。この背景を軍事評論家の神浦元彰氏はこう指摘する。「高低差がある山の中では、オスプレイを見下ろせるぐらい低いところを飛ぶ。この訓練は米本土では数千億円にも上る大規模訴訟を起こされるリスクがあるのに対し、日本では日米地位協定に守られ、裁判を起こされることがない」

 事故の多いオスプレイの乗員救出も配慮されているというから驚きだ。「万一、アクシデントが起きても日本は地方でも医療施設が充実し、乗員を助けられる。これがオーストラリアの砂漠では、救難活動は困難を極める。日本は絶好の訓練場なんです」(神浦氏)

 一方で、謎に包まれているのは低空訓練の狙いだ。低空や谷筋の飛行は、レーダーに捕捉されないことから神浦氏は「朝鮮有事の際に北朝鮮のダムやミサイル基地の近くにオスプレイを隠密に飛ばし、破壊工作を目的とした特殊部隊を送り込む作戦では」と推測する。米軍は当初、九州上空のイエロールートでの訓練を予定していたが、和歌山から四国にかけてのオレンジルートと東側に変更したのも中国を刺激しない配慮とみられている。より高度な低空訓練が可能なのは、東北や北信越の飛行ルートで、神奈川・厚木基地や静岡・キャンプ富士、青森・三沢基地などにオスプレイが飛来してくる日は間近だ。

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