日本の台所として親しまれた築地市場(東京・中央区)が6日、営業を終え、83年の歴史に幕を閉じた。豊洲市場への移転でドタバタ劇となった張本人の小池百合子東京都知事は同日、東京・丸の内で「東京味わいフェスタ2018」のトークセッションに出席した。

 イベント終了後、小池氏は報道陣から豊洲移転の質問が飛ぶと、笑顔は消え、「11日からは新しく、とても衛生的に管理の行き届いた豊洲市場に代わる。最初はそこで働く方々も慣れないと思う。戸惑いもあるかも知れない。でも、そうやってこれまでの築地ブランドが新しい豊洲ブランドに定着するよう改善、工夫を重ねたい」と述べ、足早に会場を去った。

 小池氏は市場閉場となる前日5日に築地を訪問し、「大規模な引っ越しを滞りなく進め、新しい豊洲市場の運営に都と業界とが力を合わせていくことを確認できた」と話していた。

 ただ、市場移転にはいまだ反対派がひしめく。この日、市場前では反対の抗議活動が繰り広げられた。11日の豊洲市場開場に向けて正午から引っ越しが始まったが、移転反対の築地市場営業権組合の関係者は「豊洲市場ではマンホールから汚染水があふれた。本来なら立ち入り禁止措置を取らなくてはいけない。組合は移転に賛成していないので引っ越しの準備はしていない。仲卸業者の一部も同様です」と話す。

 都は17日まで引っ越しの猶予期間を設け、18日以降は築地市場は閉鎖し、工事関係者以外は出入りできない措置を取るが、反対派は市場内に居座る構え。

 小池氏は「閉場すれば水道とか電気などを使えなくなる。事業者の皆様には移転を円滑に行っていただきたい」と話したことにも反対派は“脅しか”と反発。立ち退きを巡って、バトル勃発は避けられない状況だ。