日本のファンも出資! 韓国地下鉄を彩るアイドル誕生日広告

2018年09月20日 17時00分

明洞駅構内にあったセンイル広告

【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】朝日新聞の16日付朝刊掲載の、4面にわたる全面広告が話題になった。これは「安室奈美恵916運動」というプロジェクトで、この日引退した安室奈美恵さん(40)へのファンからのメッセージを集めたもの。

 広告出稿に必要な1000万円をクラウドファンディングで募り、熱心なファン4846人から目標額を上回る1500万円余り集まった。平成の音楽界を彩った安室さんの人気ぶりを改めて証明した格好。

 こうしたファンによるアイドル応援運動がかねて盛んなのが、お隣の韓国。「センイル(誕生日)広告」と呼ばれ、主に男性アイドルの誕生日に行われる。熱狂的な女性ファンらが、SNSなどを通じ一丸となって資金集め。それで地下鉄の駅構内などにあるポスター広告枠を買い取り、お祝いポスターを掲示するのだ。

 東京並みに複雑な路線網の首都ソウルの地下鉄で、センイル広告がよく出されるのはまず、こじゃれた店が多く若者に人気の弘大入口駅。週末は歩行者天国になり女子がたむろする新村駅、芸能関連会社が集まり芸能人出没エリアの狎鴎亭駅にもよく掲示される。

 ソウル一の繁華街、明洞もそう。駅周辺は日本はじめ中国、最近ではタイなど外国人観光客にも人気のショッピングエリアで、韓流アイドルのグッズを売る店がたくさんある。人気アイドルがやって来るライブハウスもありファンが集結するため、こうした応援アピールには絶好の場所なのだ。

 広告料は場所やサイズ、掲載期間によってまちまちだが、日本円で20万~100万円ほど。注目度が高い繁華街ほど値段が高いのは、一般の広告と同じ。

 駅構内の広告だけではない。ビルなどに設置されている電光掲示板に応援ムービーを流すファンもいれば、バスの車体を丸ごとセンイル広告にしてしまうケースも。ソウルではよく見掛けるこうしたバスの“ラッピング広告”は、50万~100万円ほどかかる。

 アジア全域に広がる韓流アイドルブームを反映し、地元ファンばかりか中国や日本のファンがセンイル広告を打つことも。韓国語が分かるなら現地の広告会社に直接アプローチできるし、日本には代行業者もいる。現地とのやりとりを全部やってくれるため、料金は割高だが、こうした業者を利用する海外ファンは多い。

 自分が身銭を切ったセンイル広告を見るため韓国へ行き、そのポスターをバックに自撮りしてSNSにアップ――これが最近の韓流女子の流行。ちなみに“韓流の聖地”東京・新大久保でも、こうした広告を見ることがある。(室橋裕和)

☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「おとなの青春旅行」(講談社現代新書)

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