オスプレイ買わされるなら新ゼロ戦造れ 警鐘作家・濱野成秋氏が緊急寄稿

2018年09月15日 17時00分

 10月1日に米空軍の輸送機CV22オスプレイ5機が、横田基地(東京都福生市など)に正式配備されるまで、あと半月となった。米軍は横田周辺で離着陸や人員降下、物資の投下、夜間飛行などの訓練をするとしており、日常的に首都圏の空を飛ぶのは確実だ。防衛問題に詳しい警鐘作家の濱野成秋氏が、オスプレイの欠陥と今後、日本が取るべき道を緊急寄稿した。

 安定が悪い飛行機はちょっとの風ですぐ落ちる。

 オスプレイはテールウインド(追い風)にめっぽう弱く、エンジン馬力でムリムリ飛んでいる試作機のような存在。日本列島の褶曲(しゅうきょく=曲がりくねった地形のこと)と偏西風では揚力の弱い飛行機は落ちて当然。ヘッドウインド(向かい風)で浮上直後、風に向かって飛行中に垂直エンジンを水平に、つまりヘリから固定翼モードに変える作業中にテールウインドに変わるとたちまち失速し墜落する。

 オスプレイの主翼は短い。翼面積がないから揚力もさっぱりないし、ジャンボジェット機みたいに臨機応変に幅広のフラップを利用して風をつかみ、たこの原理で舞い上がる装置も不十分だ。

 両翼の短さを補うのが、巨大なプロペラと自重比率最悪の大型エンジンであるが、強引に回転して急上昇中にテールウインドを食らうと、滑空能力のないオスプレイはたちまち失速に次ぐ失速で、ベテランパイロットでも、この種の垂直落下現象には対処することができない。

 横田は丹沢山系の褶曲地形に囲まれた気流の複雑な地帯で、この周辺で演習したら年間でいったい何機が墜落するか。別称が「未亡人製造機」で、優秀なパイロットたちは「俺を試験飛行に使うのか!?」と怒って、辞めるか転属する。仕方なく充てられるのは補充要員。つまり昇進上、嫌とは言えない新米パイロットが命がけで配備されるわけだ。

 そんなオスプレイが横田を飛び立ち、立川、荻窪、吉祥寺…と、低空を通過し、新宿から六本木へというコースを取って、1日に何機も往来するとはあきれ果てる。いや住民は怒り心頭だろう。

「飛行機屋からみれば、ありゃ外道です。だってあのでかいペラとエンジンを縦から横にする際に揚力カバーを無視したデバイスですから、失速しながら巡航速度へ持っていけない場合、落ちるしかないわけ。誰だって嫌ですよ」とは空自パイロットの漏らした現実。

 問題はほかにもある。日本側には、オスプレイに代われる強力な低速戦闘機がないし、生産計画もないことである。これがため、押し付けられても断り切れないのだ。やがて自衛隊も次々買い入れさせられ、その対抗策なし、というのが現在の政府である。

 自力飛行さえおぼつかないオスプレイに比べ、80年前に日本の技術の粋を集めた零式艦上戦闘機の離着陸は実に安定したものだった。軽々と上昇。ラバウル航空隊の滑走路はヒザまで埋まる砂地の悪路だったが、ゼロ戦はそれを蹴立てて上昇し、敵機とドッグファイトに入ると、旋回性能はロッキードP38の比ではないから、たちまち宙返りして背後に付くや高速回転するペラとペラの間から7・7ミリ機銃弾がきちんと飛び出る。両翼からは20ミリ機関砲が同時に出て、300メートル先できちんと敵機に当たる。

 つまり、追い風、向かい風も何のその。道端からでも飛び立てる。航続距離1200キロ。ずうたいの大きいオスプレイに勝る。だからこそ名機なのである。ゼロ戦とオスプレイ、ドッグファイトやらせたらどうか。同等の装備なら、ゼロ戦1機でオスプレイ100機を撃墜できるだろう。余裕を持って叩き落とせるはずだ。

 仮に今、ゼロ戦1万機量産態勢に入ったとして、1機990万円で造れる。オスプレイが1機100億円だから、ロケット弾やミサイルなど同等装備のニューゼロ戦がなんと1000機造れる。しかも今の技術なら可変翼や無人操縦ができるから、ロケット噴射機能とミサイル装備を付ければ、何も出来損ないオスプレイを高いカネを出して買わんでもよいわけだ。それが誇り高き技術大国・日本の取るべき道ではないか。(警鐘作家)