台風被害から完全復旧ならぬ関空 伊丹の一部代替案を歓迎する声

2018年09月11日 17時30分

 台風21号の高潮により関西国際空港が大きな被害を受けた問題で10日、関空を離着陸する国際線の一部を大阪空港(伊丹)に振り替える動きが活性化している。

 関空では、被害の少なかったB滑走路を使用し、7日に国内線、8日には国際線のそれぞれ一部が運行を再開したが、A滑走路はいまだ運用できないまま。地下にある設備が海水による被害を受けた第1ターミナルも同様だ。タンカーの衝突によって連絡橋が損傷したこともあり、鉄道の運行再開は来月になる見通しだ。

 そんな中、関空を運営する関西エアポートは、伊丹空港と神戸空港への振り分けを検討。大阪府の松井一郎知事も両空港の発着時間の拡大と国際線の受け入れ案を関係先に要請した。

 国際線の受け入れを巡っては、出入国管理や税関の問題が指摘されている。そもそも、関空の開港は、伊丹空港の騒音問題が一因にもなっており、乗り越えるべき課題は多い。

 一方で、航空専門家は「以前、伊丹に離発着していた国際線の機材も、今はかなり音が静かになっています」と解説する。

 利用する側はどう見ているのか。大阪市内から関空に向かう場合、南海電鉄の特急なら約35分かかる。伊丹に向かう場合、渋滞がなければリムジンバスで約20~30分で到着する。大阪市民はこう話す。

「大阪市より北は、関空より伊丹の方がアクセスがいい。仮に代替されても関空が復旧するまでの期間限定やろうけど、伊丹から国際線を飛ばしてくれたら便利」

 また、伊丹空港周辺には千里川の土手や伊丹スカイパークなど撮影を楽しむスポットが多く、朝夕に数便発着する国際線機種の合間運用を狙って、多くの写真家がシャッターチャンスをうかがう。航空写真愛好家は、災害のひどさを憂えながらも「エールフランスやルフトハンザがまた伊丹で見れたらうれしい」と期待を寄せた。