北海道震度6強未明の衝撃 全域295万戸停電

2018年09月06日 11時30分

信号が作動しない札幌の繁華街

 6日午前3時8分ごろ北海道で、震度6強の地震があった。気象庁によると、震源地は胆振地方中東部で、震源の深さは37キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6・7と推定される。津波被害の心配はないという。その後も震度1~4の地震が断続的に続いた。気象庁によると、北海道で震度6強を記録するのは、震度階級が改定された1996年以降初めて。未明の大地震で広範囲にわたる停電が生じ、鉄道は早朝時点で運行できなくなっている。空の玄関・新千歳空港でも震度6弱が観測され、漏水などが発生。地震被害については誤情報も流れるなど、混乱は大きい。

「ドーン」。突き上げるような大きな衝撃があった後、揺れがしばらく続いた。北の大地を未明に襲った最大で震度6強の地震。「怖かった」「死ぬかと思った」。暗がりの中、住民らは不安な声を上げた。
 
 札幌市中心部では、停電で信号機も止まり、警察官が交通整理に追われた。男性会社員は「大きな揺れで目が覚めた。マンションのエレベーターも止まり、住民らは階段で1階に避難しなければいけなかった」と声を震わせた。

 住宅が倒壊した厚真町の男性職員は「役場は棚が倒れ、書類が散乱した状態。被害状況を確認している」と慌ただしい様子だった。

 北海道庁や消防によると、厚真町や安平町では山の斜面が崩れ、複数の民家が巻き込まれ、住民が生き埋めになっているもようだ。苫小牧市では82歳の男性が自宅階段を転げ落ち、心肺停止になった。道内すべての火力発電所が停止し、全域で295万戸が停電した。室蘭市の石油コンビナート施設では火災が起き、消火活動で鎮火した。

 泊村の北海道電力泊原発は外部電源が喪失。1~3号機の原子炉に核燃料はなく、非常用電源により、使用済み核燃料プールの冷却は継続した。北海道電力によると異常は確認されていない。

 鉄道は午前6時30分現在、道内全てがストップしている。国土交通省によると、震度6弱の新千歳空港は天井の落下や停電の影響で6日は終日閉鎖の見通し。函館市の函館空港は、朝の時点で大きな被害は出ていない。

 政府は首相官邸の危機管理センターに対策室を設置。菅義偉官房長官は記者会見で、北海道の地震により、安否不明や建物の倒壊、土砂崩れに関して約810件の110番通報と多数の119番通報が寄せられていると明らかにした。一方で総務省消防庁の災害対策本部は、札幌市で住宅2軒が倒壊したとしていたのは誤報だったと発表。情報発信にも混乱がみられる。

 有数の馬産地でもある北海道。震度6強の安平町には競走馬の生産や育成を行うノーザンファームがある。千歳市には社台ファーム。いずれも数々の名馬を生み出してきた名門で、ツイッターでは「大丈夫か」と心配する競馬ファンの声が発信されたが、両ファームに大きな被害はないと発表された。

 札幌では7日にサッカー日本代表のW杯ロシア大会後初戦が札幌ドームで行われる。森保一監督率いる新チームの初陣でチリと対戦。札幌市内で合宿中の選手らは厚別区の宿舎に滞在している。チーム広報によると地震発生時は安全を考慮し、ホテル内の低層階に集合した。その後、各自部屋に戻り就寝。午後の食事時間までは部屋で待機となっている。宿舎は停電していてエレベーターも使えない状況だという。

 6日の昼食までは食材がストックされているため問題はないもようだが、今後については「北電の復旧見込みが立っておらず、練習予定なども含め白紙。対応を協議中」(同広報)。状況によってはチリ戦の開催にも影響が出そうだ。