ICカード着服の駅員を懲戒解雇 こんなに多い悪質手口の実態

2018年09月06日 07時30分

 JR九州グループは4日、駅に届けられたICカード乗車券の残額を着服したとして、鹿児島線伊集院駅(鹿児島県日置市)の男性駅員を懲戒解雇した。利用客が届けた無記名のICカード乗車券(残額3181円)を遺失物登録せず、自分の家族名義で再発行して2292円を私的利用していた。

 着服金額を返済する意向の駅員に対して、JR九州は刑事告訴を見送ったが、数千円に手を出して安定した仕事を失うとは、あまりにもったいない。「家族旅行で使いたい」と魔が差したが、旅行どころではなくなってしまった。各鉄道会社の駅員による着服は、過去にも少なくない。

 JR東日本の上野駅で女性契約社員が着服したのは、届け物の財布だった。中には現金346円とICカード乗車券(残額150円)。合計しても500円にも満たない着服額だが、今年3月に懲戒解雇となった。

 また5月には、JR東海の東海道新幹線新大阪駅の窓口業務を担当する男性社員が、外国人客2人に3人分の代金を請求し、2人分の切符を渡し、残り1人分の切符代を自分で払い戻すという手口で、4~5月で7件計10万860円を着服していたことが発覚。懲戒解雇された。

 2016年、東京メトロ半蔵門線錦糸町駅の女性駅員が、駅事務室にあった2件の拾得物を盗んだ。現金7万円と、財布・現金計約8万円。当時、メトロは保管場所の鍵を電子キーに交換することや、事務室に防犯カメラを設置することを約束していた。メトロでは14年にも丸ノ内線の男性駅員(25)が競馬とパチンコで作った借金苦から、乗客から預かったICカード乗車券(残額4699円)と自身のICカード乗車券(残額970円)をすり替えて着服した。メトロは処分内容を発表していない。

 阪急電鉄では、京都線運輸課所属の駅員が昨年6~11月に、66件で計16万2152円の現金とICカード乗車券を着服し、昨年12月に懲戒解雇された。遺失物管理システムから情報を削除することで、着服事実を隠そうとしていた。