学校集金廃止で「給食費トラブル」なくなるか?

2018年08月30日 07時00分

 子供の給食費を学校に納めない時代がやってくる。もちろんタダになるワケではない。給食費は学校に納めていたが、この先、自治体が徴収する方法に移行する方針を文部科学省が決め、現場の教諭たちは胸をなで下ろしている。給食費の徴収は大きな負担になっているからだ。いよいよ夏休みも終わって新学期になる中、給食費を巡るさまざまなトラブルを追跡してみると――。

 小中学校や支援学校での給食費の徴収方法が全国で大きく変わる。時事通信が先日報じたところによると、文科省が給食費の徴収・管理業務の負担を減らす方法に関するガイドラインを今年度中に作成する方針だ。給食費を学校内で管理する私会計ではなく、市区町村が管理する一般会計として扱う。宮城県仙台市では来年度から給食費の学校集金をやめて、口座振替に統一することになった。

 一方、北海道北斗市では給食費を着服していた支援学校の経理担当の職員が、8日付で懲戒免職処分になった。昨年10月から今年7月にかけて、銀行口座から給食費や職員親睦会費など現金計約100万円を引き出して車のローン返済に充てた、とんでもない職員だ。

 教諭が給食費を着服する不祥事は珍しくなく、徴収法の変更は防止にもつながる。何より現場の教諭たちが「負担が減る」と期待している。

 中部地方の公立小の教諭は「給食費未納の子供を受け持つ先生は多いですよ。電話や訪問して徴収をお願いするのは結構ストレスです」と話す。「あ、ごめんなさい。忘れてました」と、すんなり応じてくれるならいいが、そうはいかないことも。

「不登校を理由に支払いを拒否する家庭もあるんです。未納家庭の母親から『うちの子供は月に2~3回しか学校に行かないのに、全額払うのは、おかしい。絶対払わない』と言われちゃって頭を抱えました」(同)

 払う家庭と払わない家庭の“不公平”を許さない雰囲気もある。都内のある小学校のこと。

「PTAで給食当番の親を決めて、その親が毎月、教室の朝礼で集金するんですよ。一人ひとりの生徒から手渡しで封筒を受け付けます」(別の教諭)

 そうなると、保護者の間で「○○くんの家は、また払ってない」「××ちゃんの家は貧乏」という情報が流れる。「ある程度の抑止力はありましたよ。でも、保護者同士の関係がギスギスすれば、子供同士にも伝わりますよね。『おまえ給食費払えよ』と責められる子供が出てきたそうです」(同)

 不正を許さない雰囲気が学校内外にあふれるのは、いかがなものか。集めた給食費を紛失してしまう教諭もいたり、現行制度にうんざりしている人は少なくない。

「教育委員会や他の機関で集めてくれたらスムーズだし、余計な心労や仕事が増えない」と歓迎されている。

 とかく、今の教諭は授業以外の仕事が多い。

「6月の大阪北部地震で高槻市の小学校の壁が倒れて小4女児が死亡したのを受け、全国の学校に壁の確認の指示が出されたときも、われわれが動いた。でも、建造物に関しては素人だし、どんなチェックをすればいいのか正直、分からなかった。何かあれば、すぐ教員に負担がきて、本当にやりたい教育ができない」(前同)

 いわゆる子ども手当(児童手当)が教育用途以外に利用されるケースもあるとして「子ども手当が給食費に直接振り込まれるようにしてほしい」という意見も聞かれた。

 新方式によって給食費のトラブルはなくなるか?