有名人を誹謗中傷するインターネット上の投稿によるトラブルが後を絶たない。そんな中、元逗子市長で元衆議院議員の長島一由氏(51)が、自身と家族に対する誹謗中傷投稿を展開していたブログ投稿者を刑事告訴し、賠償金と謝罪文を受け取っていた。長島氏は先日、SNSに「逗子警察署から犯人を捕まえた等という連絡をいただいたのが約1か月半前。昨年の横浜市長選挙前から長きにわたり、私や家族に関する嘘の記載内容を書かれて大変な迷惑を被ってきました。しかし、刑事告訴をしてから約1年経ってようやく少しは報われたという感じです」と書いた。

 長島氏が誹謗中傷ブログに気づいたのは、昨年7月に行われた横浜市長選挙のころだった。

 本紙の取材に長島氏は「ネット検索で上位に来たので気がつきました。記載内容が虚偽であるにもかかわらず、特に投開票日にはツイッターなどで拡散され、犯人が捕まって削除されるまで1年半にわたり迷惑を被りました」と語る。

 削除依頼をかけようにもコンタクト先がなく、刑事告訴に踏み切った。

「神奈川県警本部に相談し、最寄りの逗子警察署で告訴状を受理していただきました。ただ、何度も警察には出向くことになり、時間をかなり取られました」(長島氏)

 誹謗中傷のブログによる選挙妨害、社会的信用低下などの損害を金額に換算するのは難しい。そのため、賠償金は選挙費用に近い額を加害者に支払わせる形になった。

「20年前ならば『便所の落書き』と警察もなかなか取り合ってくれませんでしたが、もはや単なるいたずらでは済まされず、賠償金の額も高騰しています。記事を書く方は裏取りできない情報は、断定や言い切りはしないのが鉄則。まして虚偽記載は論外。被害者の方は泣き寝入りせずに、状況により警察や弁護士さんに相談された方がよいと思います」と長島氏は語っている。