自爆テロでIS使用の“悪魔の母” 大学生が国内初確認の違法製造

2018年08月21日 18時00分

 愛知県警捜査1課は20日、爆薬「TATP」(過酸化アセトン)を製造したなどとして、爆発物取締罰則違反(製造、所持)などの疑いで名古屋市の大学1年生(19)を逮捕した。これまでの捜査で爆薬「ETN」(四硝酸エリスリトール)も押収されている。

 調べによると大学生は高校2年だった2016年12月にTATPを製造し、17年2月にはETNを製造。TATPを今年3月19日に同市名東区の公園で爆発させた疑い。周辺の防犯カメラ映像から大学生が浮上した。

 TATPは“悪魔の母”の異名を取る高性能爆薬で、05年のロンドン爆破テロや15年パリ同時多発テロ、16年のベルギー同時テロなどで使われた。「最も重宝しているのが、過激派組織イスラム国(IS)で、ベストなどに仕込んで、自爆テロに用いている。硫酸、塩酸、過酸化水素水など市販されている薬品が原料とあって、入手が容易。合成方法もネット上で出回っている」(軍事関係者)

 大学生は「爆弾を作って、その威力を確かめたかった」と供述している。TATPの製造を巡っては昨年、同県一宮市の23歳男性(当時)が製造過程を動画サイトに投稿し、物議を醸した。他にも電車爆破を目的に製造した男もいた。

 TATPは起爆装置の必要がなく、爆発物探知機にも引っかからない。さらに脅威なのはETNだ。TATPよりも威力が大きく、違法製造が国内で確認されたのは初めてになる。

 TATPは製造が容易なのに対し、取り扱いが難しく、ちょっとした熱や炎、衝撃で爆発しやすいため、“自爆事故”を起こす者も多い。興味本位での製造は、取り返しのつかない事態を招くことになる。