風営法違反で起訴された76歳老女“異常公判”の中身

2018年08月16日 07時15分

 営業禁止区域内で許可なく風俗サービスを伴うマッサージ店を経営したとして、風営法違反(禁止地域営業)の罪に問われた東京都新宿区の韓国籍、金敬玉(キム・キョンオク)被告(76)の初公判が先日、東京地裁(開發礼子裁判官)で開かれた。「お許しください」「韓国には帰る場所がない」と泣きながら訴える被告の声が法廷に響き、女性裁判官も、その押しの強さにうんざりした表情を浮かべる“異常公判”の中身とは――。

 起訴状によると、金被告は5月19日、大田区蒲田で韓国エステ「ファンタジー」を経営して、不特定の男性客らに女性従業員による性的サービスを提供させたもの。

「間違いありません」と全面的に起訴内容を認めた。

 金被告は2015年にも同様の店を違法に経営したとして、罰金100万円の前科がある。死別した日本人夫の配偶者ビザで滞在中の身で、実刑を受ければ強制送還される可能性も。裁判では韓国ドラマさながらの“お涙頂戴”の訴えを必死に繰り広げた。

 蒲田の店は、昨年9月に権利者から70万円(未払い)と月24万円(後に20万円に減額)の家賃を支払う約束で譲渡された。前科があるだけでなく、今年3月には警官の立ち入り検査で「警告」を受けているため、確実に違法性を認識している。

 それなのに、5月初めに新たに雇った女性に業務として手淫が存在することを説明している。

 だが「5月末に店をやめるつもりで荷物もまとめていた。5月19日にこんなことになった。うそじゃない」と苦しい抗弁で引き下がろうとしない。

 金被告は来日してからの苦労を嘆願書にしたため、弁護士が代読した。

 要約すると「1998年にダンプカー運転手の夫と結婚するために山形の田舎に嫁いだ。子供は1人と聞いていたのに4人もいて、ダンプの1000万円の借金を返すために、弁当工場や缶詰工場で3時間睡眠の生活で頑張った。夫は亡くなったが、借金は残り、仕方なく法に反する仕事をした」というもの。
 読まれる間、うなだれ泣き声を上げながらも女性裁判官をチラチラ見ている姿がふてぶてしい。

 その後の被告人質問では「もう絶対に絶対に、死んだとしても絶対にしません」「山形で孫の面倒を見て暮らします」「お許しください」「韓国には行く所がありません」「(罰金刑の後に)ゴミ箱から雑誌を拾って求人広告を探した」など大げさな言葉で情状のアピールを繰り返す。裁判官はあきれたように「許すかどうかの問題じゃなくて、またやってしまうか心配している」と言葉をかけるのだった。

 山形に戻ると言いつつも子供たちと具体的な約束はできていないと指摘する検察の求刑は、懲役8か月と罰金100万円。これを判決と勘違いした金被告が「懲役を、受けるんですか?」とぼうぜんとする場面もあった。

 裁判後、弁護士から「韓国ではそういうもの(情に訴えることが効果的)かもしれないけど、謝りすぎるのは印象が良くないよ」と指導を受けていた。

 なお、JR蒲田駅東口すぐのビルに入っていた店では、別の店が営業中だ。出てきた年配女性に「ここはファンタジーですか?」と聞くと「同じ店だよ。入って、入って! 若い子いるよ」と話す。“同じ”が意味するものはいったい何なのか…。