群馬で9人搭乗の防災ヘリ墜落 専門家からは整備不良疑う声も

2018年08月11日 17時00分

 9人が乗った群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が10日午前、飛行中に消息を絶ち同県中之条町の山中に墜落、2人が死亡した事故で、県警や自衛隊は11日早朝、残る7人の救出活動のため、拠点のホテルを出発した。うち6人は機体の残骸周辺で発見されたが、新たに2人を収容、死亡を確認。また、行方不明だった残る1人を機体近くで発見した。未搬送の5人の容体は不明。運輸安全委員会も航空事故調査官3人を現地に派遣した。

「はるな」は11日に開通する登山道の安全性を上空から確認するために飛行していた。防災航空隊員4人と吾妻広域消防本部の5人が搭乗し、午前9時15分に前橋市内のヘリポートを離陸し、1時間30分後に戻る予定だったが、10時1分に位置情報が途絶えた。墜落した理由は分かっていないが、操縦ミスか機体トラブルの可能性が高い。運航は県から東邦航空に委託されており、社員だった機長と整備士の2人は防災航空隊員として搭乗していた。

 一般的に登山道を上空から確認する場合、低空飛行となるため「天候急変などで衝突回避行動が間に合わなくなる事態がある」(専門家)という。当時の天候は曇りで、弱い風が吹いていた。東邦航空の土井正志総務部長は「知識、技能、安全への危機感のレベルがかなり高い2人」と話した。

 一方、機体は1997年から運用され、総飛行時間は7000時間を超えていたが、決して古いワケではないという。ただ、今年4月にエンジンの不具合が判明し、6月まで修理に出されていた。

 防災ヘリの墜落事故は多発しており、2009年に岐阜県高山市で乗員3人が死亡、10年に埼玉県秩父市で乗員5人が死亡、昨年3月には長野県鉢伏山で乗員9人が死亡している。岐阜と長野、そして今回の事故機はいずれもベル412EP。また昨年11月に群馬県上野村に墜落し、乗員4人が死亡した事故では、仏エアバス・ヘリコプターズ社の「AS332L」。同機も東邦航空が運航していたとあって、専門家からは東邦航空の整備不良を疑う声も強い。