カルビーが台風で販売休止の教訓生かす 今年のポテチは猛暑でも大丈夫

2018年08月10日 17時00分

 製菓メーカーのカルビー株式会社が9日、都内で「ジャガイモビジネスに関する座談会」を開催し、同社代表取締役社長兼CEOの伊藤秀二氏(61)らが出席した。

 ポテトチップスなどの商品の原料・ジャガイモの約8割を北海道産に頼る同社は、2016年8月に相次いだ台風の被害で、ジャガイモの収穫量が大幅に減少した影響をモロにかぶった。17年4月には、ジャガイモを原料としたポテトチップスなどの一部の商品の販売休止を発表し、消費者の“ポテチ・ショック”を呼んだ。

 伊藤氏は「台風の影響で起きたジャガイモ不足の反省から、さまざまな工夫を凝らした」と言い、今年は自然災害によるジャガイモの収穫の影響は受けていないという。

 また、この日同席した社員は「以前は生産者が『今年は雨が多いから』と気候によって生育を諦めていたが、排水や追肥などで人間が管理するようにした」と明かした。

 さらに新たに挑戦していることがある。

「宮城、熊本、北海道の水田地帯には、水不足時には給水し、雨が多い時には排水するので気候変動に強い。そこを開発し、チャレンジしている」(社員)と明かした。

 この日は、育成品種にも触れ「台風の水害にあっても腐敗しなかった『ぽろしり』という品種を生産者に薦めている」(同)。

 今年の夏は気温が平年より高く、その影響で葉物野菜は高騰。6月中旬からの長雨と日照不足で、北海道産のキュウリや大根なども割高となった。さらに北海道は7月末に35度以上の猛暑日が続き、消費者の間で心配の声が出ていた。

 しかし、ジャガイモは、この暑さの前に収穫を終え、東京の卸売価格は平年よりも低く、需要に供給が追いつかないという事態には陥らなかった。

 同社員によると「調査の結果、今年は粒揃いが良い年。8月末の収穫時には、仕入れ数が前年を上回る予定だ」。

 台風被害の反省を生かしたカルビーには、ポテチ販売休止の心配はなさそうだ。