韓国「挺対協」改名の狙い

2018年07月19日 07時30分

女子挺身隊の手帳

 旧日本軍の従軍慰安婦だった女性らの支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」は17日までに、別の団体と組織を統合し「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」との新しい名称で、今後活動すると発表した。1990年に結成された同団体が、名称変更する裏にはいろいろな意図があるようだ。

 慰安婦問題を巡る2015年の日韓合意に反対し、挺対協がほかの市民団体などと結成した「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団」と統合。挺対協の活動を継承しながら、慰安婦問題を含む戦争と女性の人権問題についての調査・研究事業を強化する。

 挺対協は、ソウルの日本大使館前に慰安婦被害を象徴する少女像を設置したことで知られる。

 なぜ、名称変更したのか。韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏は「理由はいくつかあると思います」としつつ、こう分析する。「女子挺身隊と慰安婦を混同することに、いくら何でも無理があるということに気づいたのでしょう。女子挺身隊になるには、成績優秀で学校長の推薦と保護者の許可が要りました。女子挺身隊に選ばれるのは女子にとってはむしろ誉れだったのです」

 女子挺身隊は戦時中の工場動員であり、黒澤明監督が撮った映画「一番美しく」は、まさに女子挺身隊を描いたもの。映画は兵器に使われる光学機器を作る軍需工場が舞台だった。手先が器用と言われる女性たちは精密機器を扱う工場への動員が多く、そのため成績優秀者が選抜された。

 内地の軍需工場で働くことになった少女が「こちらでは三度、白いごはんが食べられるのでうれしい」と家族に宛てた手紙も残っている。

 また、「性奴隷」という言葉を国際化するという目的も見え隠れする。すでに国連人権委員会では性奴隷という名称が使われている。

 但馬氏は「もともと性奴隷という造語は日本の左翼弁護士が考え出し、国連に定着させました。彼は何度も慰安婦問題を人権委で取り上げるよう申し入れてきたけれど、そのたびにスルーされてきた。ところが『セックス・スレイブ』という単語を使ったら、多くの委員が関心を寄せてきたと、自慢げに語っています。それだけ、インパクトのある言葉だったのです。韓国などの反日勢力がこれに乗っかり、日本叩きにこの造語を用いてきました」と話す。

 さらに北朝鮮が対日交渉のカードとして使うためという理由もありそうだ。

「挺対協が北朝鮮の息のかかった団体であることはよく知られたことです。米朝首脳会談も終わり、早晩、日朝首脳会談が開かれるでしょう。この会談では、日朝国交正常化を念頭に北朝鮮は、いかに日本から金を引き出すか勝負に出てくるはずです。当然、日韓併合を含む歴史カードを切ってくるでしょう。そのためのけん制として、慰安婦=性奴隷というイメージの固定化を狙っているのだと思います」と但馬氏。

 挺対協が主導して世界各地に少女像を設置してきたわけだが、そこにもイメージ操作があるという。

 但馬氏は「あの慰安婦少女像がなぜ14歳の少女をイメージして造られたか。拉致問題の象徴的存在の横田めぐみさんが拉致されたのが14歳だったからです。つまり、少女像は拉致問題を相殺させるための北朝鮮の姑息な道具でもあるのです」と指摘している。