北の核実験もう一つの狙いは「外貨獲得」

2013年02月17日 11時00分

 世界から孤立し、自らを窮地に追い込むようにも見える北朝鮮の3度目の核実験。中国人民解放軍のバックアップがあるにせよ、世界から白い目で見られるのを承知で実験を重ねるのは、単に米国を交渉の席に着かせるためだけではない。核開発に突っ走る“もう一つ”の目的は「外貨の獲得のため」と専門家は分析している。

 そもそも、北朝鮮は国民の多くが飢餓状態で、金正恩体制下で数万人の餓死者が出ているとされる。そんな中で核実験に使うカネがあること自体、不思議な話だ。

 東アジアの軍事情勢に詳しいジャーナリストの南郷大氏は「北朝鮮は日本や米国、韓国などから様々な援助を引き出すことに成功しています。これは北朝鮮が核兵器を開発していることと無関係ではないでしょう」。ミサイルをブッ放しては核実験を強行してみせ「やめてほしければ、食料を援助しろ!」という、いつものやり口だ。

 お隣中国の人民解放軍が水面下で北朝鮮の核開発を中国政府に内緒で支援しているとの情報もある(本紙昨報)。中国を含めた各国の北朝鮮支援は、逆に考えると間接的に核開発を支えているということにもなる。しかも核実験は、他国の援助だけでなくカネになるというから始末が悪い。

「北朝鮮には、外貨を稼げる輸出品がない。でも核爆弾や弾道ミサイルは国際的な闇市場で売れるんです。基本的に競争相手がほとんどいない商品ですから」(南郷氏)

 確かに、旧イラクのフセイン大統領時代のミサイル「アル・フセイン」、イランの「シャハブ」などは、北朝鮮の「ノドン」「テポドン」を改良したものか、北朝鮮の技術指導で開発されたものと伝えられている。

「北朝鮮はその対価としておそらく、莫大な外貨や石油を入手したのでしょう」(同)

 世界にはベネズエラのような反米国家や、中東のヒズボラ、アルカイダのようなイスラム原理主義のテロ組織が多くあるが、こうした国や連中がお客さんというわけだ。しかも今回の実験で“新商品開発に成功”したのだから大売り出しをかけ、大儲けしそうだ。

「長距離弾道ミサイルは原価が10億~30億円以上、核弾頭は数千万~数億円と言われ、実際にはその数倍の値段で売るでしょう」とは軍事事情通。

 他国の援助を引き出すだけでなく、テロ組織相手に商売もできるとは、まさに一石二鳥。これでは北朝鮮が核開発をやめるわけがない。