震度6弱を記録した大阪府北部地震(18日)で、住宅被害が京都、大阪、兵庫、奈良の近畿4府県で計1万2750棟になったことが27日、総務省消防庁のまとめで分かった。大阪府によると、陸上自衛隊は26日午後9時半に全ての活動を終え、27日には撤収式を行った。この地震は、改めて都市のもろさを露呈した。巨大地震にいつ見舞われてもおかしくないなかで、どう身を守るべきか。元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏が、普段持ち歩くかばんの中にある12アイテムを本紙読者に公開した。備えあれば憂いなし。

 防災プロ・金子氏が常備しているのはシンプルかつ身の回りにあるアイテムばかりだった。

【1・懐中電灯】夜間や地下、エレベーター内での視界確保に必須です。手動充電タイプなら電池切れの心配もありません。

【2・笛】がれきや本の中に生き埋めになっても居場所を知らせられる。危険が及んでいる人に注意喚起もできる。

【3・薄手の手袋】避難する際、燃えている物や熱を持っている物に直接触れるとヤケドします。厚手の軍手では、細かい手作業ができないので、薄手がベター。

【4・ばんそうこう】ちょっとした傷、出血止め、ヤケドの手当てに最適。

【5・ペットボトル飲料】200㏄程度の小さめサイズ。3、4口飲めれば十分。また初期消火にも役立つ。

【6・ろうそく】照明、暖房、ちょっとした焼き物用に。ライターは喫煙者が所持しているので、なくてもOK。

【7・鏡】高い建物に閉じ込められても光に反射させて、居場所を知らせられます。

【8・蘇生用マウスピース】心肺停止した人への人工呼吸用。口の中に異物がないかを確認し、心臓マッサージと併用し、息を吹き込んでください。

【9・ビニール袋】頭からかぶって、火災による煙、一酸化炭素中毒から目や口を守ります。一時的に水をためることもできる。

【10・手ぬぐい】止血用。手ぬぐいは細かく簡単に切れ、何にでも使える万能布。防災アイテムをまとめることもできる。

【11・ようかん】非常食代わり。甘いもので疲れを吹き飛ばせる。

【12・スルメイカ】栄養満点、満腹感が得られ、腐らない。スルメの乾き物は、江戸時代からある“カロリーメイト”です。

 金子氏は「これはという防災用品はバッグの中に入るもので十分役立ちます。いずれも100円ショップで入手できる。最新防災グッズに目がいきがちですが、意外に扱いは難しく、高価だと試し使いもしにくい。普段使いしている物が単純で分かりやすく、使いやすい。江戸時代からの知恵は今でも十分役に立ちます」と語る。

 いずれもコンパクトで軽く、かさばることもない。かばんの隅に忍ばせておけば、あなたも未曽有の大震災から生き延びられる。