大阪北部では小規模な地震はあったものの、府内で震度6弱を記録したのは観測態勢が整った1923年以降初めて。地震発生時には、30年以内の発生確率が70~80%とされる南海トラフ巨大地震とのつながりを考えた人も少なくなかったが、関連性は低いとみられる。

 一方で、地元の高齢男性はこう語る。

「この辺りも全く大地震がないわけじゃない。有馬から高槻にかけての断層では大地震も起きてる。慶長伏見大地震から420年もたってる」

 慶長伏見大地震とは、1596年に京都・伏見付近で発生した直下型の大地震で、京都などを中心に1000人以上の死者が出たと伝えられる。豊臣秀吉が隠居後の住まいとするために築城した伏見城の天守が倒壊。天龍寺などの寺院にも被害が及んだ。

 男性の声を裏付けるように、識者からは神戸市北部から高槻市に延びる「有馬―高槻断層帯」から派生する断層や、大阪府を南北に走る「生駒断層帯」の影響を指摘する声もある。

 いずれにせよ、認識の難しい断層であり、予測が困難だという。

 慶長伏見地震の起きた慶長年間は、20年ほどの間に慶長伊予地震(松山)、慶長豊後地震(大分)、慶長三陸地震(東北・北海道の太平洋沿岸)など、マグニチュード7クラスの地震が頻発している。

 前出の男性は「東北の地震のあと、熊本とかいろんなところ揺れてるやろ? 関西だけが安全なんてことはない」と語ったが、専門家も「活断層の有無にかかわらず、日本中どこでも起こり得る」と指摘している。