日本の“夜の経済”を変える!歌舞伎町と六本木2大巨頭が対談

2018年06月01日 11時00分

高見氏(左)と内藤氏(写真提供「ホスホス」)

 2020年東京五輪、カジノリゾートの始動など、来る大型イベントに向けて外国人観光客の誘致と対応が日本の課題となっているが、訪日客の満足度はまだまだ高いとは言えない。「日本は夜がつまらない」と口を揃える外国人観光客。世界と比較して日本に足りないものはどうやら充実した夜遊びのようだ。夜の経済効果の未来について、東京のナイトシーンを代表する2大巨頭が大マジメに対談した。

 都内でこのほど「ナイトエコノミー活性化 日本ジャパベガス化計画」と題した対談を行ったのは、東京・歌舞伎町「TOP DANDY」など36店舗を手掛ける年商150億円の業界最大手ホストグループ「株式会社gd」の会長・高見翔氏(年齢非公表)と、六本木のショークラブ「バーレスクTOKYO」ディレクターの内藤良太氏(45)だ。

 日本最大の歓楽街の“顔”とも言える2人が膝を付き合わせたのは、大きな危機感を持っているから。東京五輪やカジノリゾート(CR)始動など、訪日客増を見込むイベントが今後は目白押しとなる。しかし、外国人は日本にさほどお金を落とさない実態があるという。

 高見氏は「来日観光客が日本に落とす金は平均15万円。観光客数は2000万人を超えて世界20位以上なのに、使う金は世界で50位以下。それは遊ぶものがないことに起因している」と指摘。

「電車がない」「店じまいが早い」「どこで遊べばいいか分からない」。そんな不満を訪日客は慢性的に抱えている。この“夜の経済”は、実は埋もれた市場だ。

 英国ではこの“ナイトタイムエコノミー”だけで4兆円の経済効果を生んでいるという。美術館なども夜間に営業しており、安全安心な優良地域は国から認証としてフラッグ(旗)をもらえる。朝まで交通網も稼働しており、夜遊びに困ることがない。「日本で夜の楽しみに使う金は予算の10%。ロボットレストランとドン・キホーテだけ」と内藤氏も悔しがる。
 たとえば、このままCRをつくっても失敗する可能性は大いにある。

「さあ、カジノをつくりました。でも、そこに何があるか。良質なソフトがCRにあれば、外国人が来日をリピートしてくれる」(高見氏)。つまり、規制緩和が進んで深夜業態のバラエティー化が進まないと、外国人にそっぽを向かれてしまう。

 ソフトの充実は大きな課題で、地域全体が盛り上がる必要がある。「六本木は都市開発が進み、夜の店が撤退している」(内藤氏)。一方、遊ぶための大前提である「安全」は、過去より大きく進展している。

 2003年の歌舞伎町浄化作戦で多くの店が潰れ、高見氏らも苦い思いをしたが「コマ劇場がなくなってゴジラビルができた今、健全化されてよかった。歌舞伎町一番街のゲートをくぐることもハードルが高い時代だった。笑って安全に帰ってもらえる方がいい」。

 ただし、現状の深夜1時までの営業では限界がある。規制緩和は「必要」と2人は口を揃えた。

 外国人は機会さえあれば金を落とすことは2人も体感で理解している。バーレスクや歌舞伎町の老舗ホストクラブ「愛本店」に中国人がツアーで大量に来店し、大金を使っていく。だが、ホストクラブで通訳は必須で、いちげんでフラッと来る客はほぼいない。

 そこで、ホストがダンスショーを披露する新業態「ホスレスク」の1号店「VOGUE」が6月に歌舞伎町にオープンする。これなら、外国人も日本人もホストクラブより敷居が低い。予算は開店から閉店までいてもおよそ2人で3万円程度。

 高見氏は「ホストよりもライトに楽しめるものにしたい」と話す。新たなサービスが生まれて、夜は活性化が進む。地域に大きな経済効果を生む“種”だ。

 しかし、その種が大きく花開くには警察・自治体、地域の理解も必要となる。