性病詐欺裁判に看護師証人出廷「正当な診療」擁護に怒る元患者

2018年05月31日 17時00分

 性病診察で陰性の患者に対して陽性と診断結果を偽り、高額な治療代をだまし取ったとして詐欺罪に問われている「新宿セントラルクリニック」院長の林道也被告(69)の公判が30日、東京地裁で開かれ、女性看護師が証人出廷した。

 検察は、林被告はクラミジアと判定する陽性基準の「0・90」という数値を「0・00」に改ざんし、誰でも性病患者にしたとしている。だが、同被告は「正当な診療」と詐欺行為を否認。女性看護師は開業当初から勤務し、他のスタッフがやめた現在も1人、林被告を支え、援護する主張に終始した。

 性病の疑いのある患者が検査を受けると「症状が出ているにもかかわらず、0・90を超える患者が少ない」ケースが多かったため、林被告が検査キットのメーカーに問い合わせると「陰性の基準値は0・00」と回答があり、院内で数値を統一したという。

 検査結果を患者に見せると詐欺がバレるため、うやむやにしていたようだが、女性看護師は結果を「患者に交付していた」と主張。渡せなかったケースは「余裕がなくて渡し忘れたり、患者が不要だから捨てたりした」場合に限ると述べた。

 傍聴した元患者の男性は「『結果を伝えた』という証言はうそ。林被告は『結果を見せる義務は医者にない』と言っていたため、私が検査会社に求めて初めて知ることができた」と憤る。

 同院では抗原検査と抗体検査を実施していたが、2013年から抗体検査が保険適用外に。女性看護師から「診療報酬が入らないので苦しい」と訴えられた林被告は「結果を正確に追いたいから目をつぶってくれ。赤字は覚悟」と諭すように言ったとも。これに元患者は「さも正しい医療人のような主張を急にしてきたが、信じられない」と切り捨てた。

 一方、被告人質問で林被告は弁護人に「いい質問ですね~」「僕は理論派の医師」などと相変わらずのマイペースを崩さなかった。