90歳が赤信号進入で4人死傷 高齢者が免許自主返納を拒む理由

2018年05月29日 17時30分

 28日午前10時55分ごろ、神奈川県茅ヶ崎市元町の国道1号の交差点付近で、乗用車が歩行者4人をはね、うち女性1人が死亡した。「横断歩道は青信号だった」との目撃証言があり、茅ヶ崎署は車が赤信号で交差点に進入したとみて、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで運転していた茅ヶ崎市の無職斉藤久美子容疑者(90)を逮捕した。

 署によると、斉藤容疑者は調べに対し、「赤信号と分かっていたが、横断歩道に誰もいないと思い、通過しようとした。左から渡る人が見え、慌てて左にハンドルを切った」と話している。

 死亡したのは茅ヶ崎市の松浦久恵さん(57)。他の歩行者3人と斉藤容疑者はいずれも軽傷で、命に別条はない。

 車は交差点近くの自動車修理工場から車道に出て、横断歩道の手前でいったん減速したが、そのまま交差点に進入。横断歩道を渡っていた人をはね、さらに歩道へ乗り上げた。松浦さんはビルにぶつかった状態で停止した車の近くに倒れていたが、署は横断歩道ではねられたとみている。

 斉藤容疑者は3月に免許更新するため、昨年12月に認知機能検査を受けたが、問題なかったという。署が詳しい状況や事故原因を調べている。

 現場はJR茅ケ崎駅の北約300メートル。

 信号無視をしていいと思っているのは悪質極まりない。交通系ジャーナリストは「おそらく若い時からそういう運転をしてきたのでしょう」と指摘する。

 警察庁は運転に不安を感じる65歳以上の所有者に免許証の自主返納を勧めている。現実には「アイデンティティーに関わる身分証としての免許返納による喪失感、一人前の人間ではないと自己の尊厳の喪失が大きく、返納に拒否感を覚える高齢者は多いようです」と同ジャーナリストは語っているが、事故を起こしてから後悔しても間に合わない。