米の核完全放棄要求にゴネる北 それでも6・12ドタキャン度胸なし

2018年05月17日 17時00分

 北朝鮮の金桂冠第1外務次官は16日、朝鮮中央通信を通じ、米国が一方的な核放棄を要求するなら来月12日にシンガポールで予定している米朝首脳会談のキャンセルを示唆した。専門家は「北朝鮮の瀬戸際外交がまた始まった」とダダをこねているだけとみている。

 北朝鮮は16日に予定していた南北閣僚級会談をドタキャン。当初は米韓合同軍事演習を理由に挙げていたが、金次官は「米国から妄言が相次いで出ていることは極めて穏当ではない」と非核化をめぐる米朝交渉で、米国側の強要に反発した。

 拓殖大学主任研究員で元韓国国防省北朝鮮分析官の高永テツ氏は「ボルトン米大統領補佐官が事前協議で北朝鮮に対し、保有するすべての核兵器をフランスを通じ、米国へ移動するよう要求した。また、非核化した後に再開発しないよう『核開発に従事した研究者も移住せよ』ということだが、北朝鮮はとてものめない。韓国の文在寅大統領が訪米し、22日に米韓首脳会談が行われる。今回の揺さぶりは、その場で米側から譲歩を得たい狙いでしょう」と指摘する。

 北朝鮮はこれまで何度も“ちゃぶ台返し”を繰り返してきたが、米朝首脳会談をキャンセルする度胸はないと高氏はこうみる。「米朝首脳会談が蹴られた場合、米は即座に軍事空爆に踏み切るでしょう。北朝鮮は平気で後ろから頭を叩く国柄で、米もいつやられるかわからないから臨戦態勢を整えている」

 太平洋上には米空母ロナルド・レーガン、小型空母、複数の原子力潜水艦をはじめ、海軍病院船「マーシー」も展開している。マーシーは6月に東京湾に寄港し、一般公開。災害医療対策のデモンストレーションは表向きで、朝鮮半島で有事が発生した際の負傷兵士を治療するミッションを帯びているとみられる。もう後がない北朝鮮だが、悪あがきはいつまで続くのか。

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