金正恩 2度目電撃訪中の狙い…したたか二股外交に米トランプは?

2018年05月09日 17時30分

ガッチリ握手する金委員長(左)と習主席(ロイター)

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が7~8日、中国・大連を訪れ、習近平国家主席と会談した。米朝首脳会談を前に、中国に2度目の電撃訪問をした金委員長の狙いは?

 金委員長と習主席との首脳会談は今年3月以来、2度目。前回の首脳会談で、次は習主席が訪朝する取り決めをしていたが、大連で中国初の国産空母が建造され、金委員長が招待される形での2度目の訪中となった。金委員長のほかに妹の金与正党第1副部長、金英哲党副委員長ら幹部も同行した。

 拓殖大学客員主任研究員で元韓国国防省北朝鮮分析官の高永テツ氏は「中国からすれば(6月初旬までに予定される)米朝交渉で、北朝鮮が米に擦り寄り、親米国家にならないかの危惧があり、急きょ呼び出してクギを刺したのでしょう」と指摘する。

 冷え込んでいた中朝関係は3月の首脳会談以降、改善が進んでいる。中国は米国に対抗できる戦略空母、潜水艦を保有していることも見せつけ、朝鮮半島への影響力を誇示したともいえるが、金委員長は習主席に従順な姿勢を見せることで、トランプ大統領に揺さぶりをかける狙いもあるという。

「金正恩は中国がバックにいるとアピールした。北朝鮮問題で結果を出したいトランプ大統領に対し、首脳会談で非核化をはじめ、大きな譲歩を得たい計算が働いている」(高氏)

 さっそく、トランプ大統領は中朝首脳会談の後、習主席と電話会談し、北朝鮮問題について協議したとみられる。「北朝鮮という国はいつも二股路線で、中国とロシアに足をかけ、今度は米にも自分の国益を求める。金正恩が賢いのではなく、支えるブレーンが優秀といえる」(高氏)。

 したたかな二股外交だが、嫉妬深いトランプ大統領の逆鱗に触れかねない。