イングランド・プレミアリーグの強豪チェルシーが、スペイン1部バルセロナで神童と称される同国代表FWアンス・ファティの獲得に乗り出した。

 ファティは昨年、バルセロナと2027年まで契約延長したばかり。その際、クラブ側は将来のエースとして放出するつもりがない意思表示として移籍金を10億ユーロ(約1370億円)に設定した。

 しかしここに来て風向きが変わってきた。スペインメディア「ミオトラリーガ」は「チェルシーは、彼をプロジェクトの偉大なスターと考えている。FWルカクがインテルに移籍した後のストライカーの強化として望んでおり、獲得を達成するために可能な限りのことをする」と報道。新オーナーのボーリー氏がチームの目玉となるスターを欲しがっており「バルセロナに素晴らしいオファーを提供し、サッカー選手に非常に魅力的な給料を与える。バルセロナが経済的な問題を抱えることがなくなることを分かっている」と豊富な資金力を惜しみなく注ぎ込む構えだ。

 魅力的なオファーが届けばバルセロナも応じる構えだ。「今の状況を利用することができる。彼は誰もが認める新たなリーダーで背番号10も与えられたが、彼のケガのせいでFWラフィーニャやFWレバンドフスキを獲得させることになり、スタメンはもう疑わしくなった」。バルセロナは現在サラリーキャップ制の制限を超えて新たな選手の登録ができない窮地に陥っているが、なかなか放出要員が決まらないでいる。破格オファーで財政難解消の一助にもなるなら、ファティ放出はむしろバルセロナにとっても渡りに船というわけだ。

 ファティ側も「彼は(代理人の)ホルヘ・メンデスにチームから出すように頼むことを躊躇しない」とチェルシー行きを希望するとみられている。

 バルセロナに顔となるはずだった至宝が電撃移籍するのか。多くの資産を切り売りする今の名門ならば何が起きてもおかしくない。