サッカーの元ロシア代表MFでキャプテンも務めたイゴール・デニソフ氏(38)がユーチューブで生命の危機に直面していることを告白した。

 ロシア1部ゼニトや同1部ロコモティフ・モスクワでプレーしたイゴール氏は同国代表としても2008年から16年の間に国際Aマッチ54試合に出場した名選手。2019年に現役を退いたが、ロシアによるウクライナ侵攻にはかねて反対の立場を表明している。

 そんな中、イゴール氏はユーチューブで公開されたインタビューの中で「戦争反対を訴えることに、彼らは私を刑務所に入れたり、こうした発言のため、私を殺したりするでしょう。それでも私は自分が正しいと思うことを言っていく」とし、命の危険があるとしながらも「ロシアを離れたくない。私は国を愛している」と語っている。

 また英「BBC」など各メディアによると、イゴール氏はロシア政府によるウクライナ侵攻を阻止するため、ウラジミール・プーチン大統領に手紙を出したという。「私はすべてを止めるためにあなた(プーチン大統領)の前にひざまずく準備ができていると伝えた」

 ロシアではウクライナへの攻撃について「戦争」や「侵略」といった言葉を使うことや軍事行動の妨げとなる行為が法律で禁止されていり、違反した場合は刑事罰が科せられる。イゴール氏は拘束されていないようだが、反戦の願いは届くだろうか。