日本代表や所属クラブで低迷が続くMF久保建英(20=マジョルカ)に、元日本代表MF前園真聖氏(48=本紙評論家)が〝緊急提言〟だ。期限付き移籍したマジョルカで過ごした今季はわずか1ゴールに終わり、森保ジャパンでも存在感が低下するばかり。前園氏は窮地に立たされている至宝の現状を分析した上で、今後の去就についても言及した。

 今季の久保はマジョルカに期限付き移籍で復帰。しかし、9月に右ヒザを負傷して約2か月戦線離脱すると、出場機会が徐々に減少。元日本代表監督のハビエル・アギーレ氏が終盤に就任以降は控え扱いとなり、リーグ戦で1ゴールに終わった。

 森保ジャパンでの立場も厳しい。カタールW杯アジア最終予選では2戦目の中国戦こそ先発したが、その後はシステム変更もあって出場時間が減り、最大のヤマ場となった2月のサウジアラビア戦、3月のオーストラリア戦はともに出番なし。W杯出場決定後の消化試合となったベトナム戦で久々に先発するも、格下相手に空回りして評価を下げてしまった。

 前園氏は「決定機もありましたが、決められていません。代表でもシステムが変わってベンチにいる時間が長くなっています。彼の良さを出せているシーズンではないでしょう」と厳しい現状を指摘。続けて「守備のタスクもしなければなりません。そして、自らの良さを出していくしかありません。そこが重要になります」と、長所を生かしつつ懸案の守備の強度を上げるよう求めた。

 カタールW杯に向けてメンバー落ちの危機も現実味を帯びてきたが、それでも前園氏は「MF伊東純也(ゲンク)やMF堂安律(PSVアイントホーフェン)の調子が悪ければ、必要になってくる選手です。6月(強化試合)のチャンスを生かしてほしいです」と期待を寄せる。

 今後の巻き返しのために重要となるのが来季の進路選択だ。まず、保有元のレアル・マドリードへの復帰については「現実を見なければいけません」とズバリ。「レアルは若手が次々とブレークしていますし、優勝するチームに呼び戻されるためにはよっぽど印象に残るプレーや明確な数字が必要です」と名門に固執すべきではないとの見方を示した。

 その上で「マジョルカよりもう1ランク上の中堅チームに行くのがいいと思います。ビリャレアルではうまくいきませんでしたが、まだ(来季は)21歳ですし、焦ることはありません。言葉ができるスペインで落ち着いてプレーし、しっかり結果を残していってもらいたいです」と提言した。果たして、至宝は停滞する現状を打破することができるのか。