フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)で〝全権選手〟となった同国代表FWキリアン・エムバペ(23)による驚きの強化方針を地元メディアが伝えた。

 エムバペはスペイン1部レアル・マドリードと一度合意しながら翻意して、PSGとの3年間の契約延長を発表。PSG側は高額の金銭面に加え、チームの編成権も与える破格の条件を付与したとみられている。

 23日にPSGとの契約更新会見に臨んだ際もエムバペは「僕は今、このチームの今後の強化プランに集中している」と語り、編成も大きく関わっていることを示唆した。

 フランス放送局「RTL」は「エムバペはPSGの真のボスになったのか。首都クラブはプレーヤーに前例のない〝力〟を与えるところまで行き着いた」と報道。そしてエムバペが進める強化方針をこう指摘した。

「エムバペはクラブ内のフレームワークの進化を望んでいる。彼のアイデアは、2年ごとにコーチやプレースタイルを変えることなく正常に機能する方法を見つけることだ」とチームの戦術やスタイルを長期的な視野で構築する目標を掲げている。

 さらに「彼はまた、更衣室での〝バランス〟を改善したいと考えている。南米のプレーヤーを減らし、ロッカールームでフランス語を話すためにフランス人プレーヤーを増やしたいと考えている」。PSGはビッグクラブらしく多国籍軍で特に南米選手が目立つが、エムバペは母国である〝フランス化〟を目指そうとしているというのだ。

 実際にエムバペの要請を受ける形でPSGが、ともにフランス代表のFWウスマヌ・デンベレ(バルセロナ)やMFオーレリアン・チュアメニ(モナコ)の獲得に動いていると現地メディアで盛んに報じられている。

 ただ、チームにはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシやブラジル代表FWネイマールなど南米のスーパースターもいるだけに、急激なフランス化は波紋を呼びそう。チーム内を一枚岩とするためにエムバペの〝手腕〟に注目が集まりそうだ。