フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)に残留したことで史上初の〝全権選手〟の権限を与えられた同国代表FWキリアン・エムバペが、早くも強権を発動してチームの大改革に乗り出した。

 スペイン1部レアル・マドリードとの入団合意から一転して残留を決断したエムバペ。現地メディアでは編成権、監督、オーナーの権限を希望すればいつでも与える超VIP待遇も契約条件に入れたと報じられている。

 そうした中、早くも来季に向けて〝エムバペ人事〟を実行しているようだ。米放送局「CBS」は「23歳の選手を中心に欧州チャンピオンズリーグ(CL)を制覇するためのプロジェクトを立ち上げようとしている。ジダン監督の招へいを検討している」と報道。かねてエムバペはフランスのレジェンドを尊敬しており、今回の移籍劇も水面下で相談していたとされる。晴れて残留となったことで、自らの意思で招へいに動くというわけだ。

 さらにスペインの数々の有力紙に寄稿している著名ジャーナリストのセルジオ・サントス氏は「ブラジル代表のチームメートを売却し、フランス代表FWウスマヌ・デンベレにサインするように指示したようだ」と指摘。かねて不仲が噂されているFWネイマールを放出し、フランス代表の盟友で親交が深いデンベレを迎え入れようとしている。

 さらにイタリアメディア「トゥットメルカート」などは、エムバペの希望を受け入れる形でPSGがレオナルドSDを解任してルイス・カンポス氏を後任として招へいする方針を決めたと報じた。

 PSGで絶大な権力を手にしたエムバペ。全権選手の立場をフル活用してチーム強化を図ることになりそうだ。