国際サッカー連盟(FIFA)で会長を務めたゼップ・ブラッター氏に、在任当時の〝性接待疑惑〟が浮上して大きな波紋を呼んでいる。

 英メディア「インサイドザゲームズ」は、フランスの調査記者ロマン・モリナ氏がノルウェー誌「Josimar」で告発した内容を報道。2013年にブラッター氏がハイチを訪問した際に、同国サッカー連盟(FHF)のイブ・ジャンバルト前会長から〝性的な接待〟を受けたと指摘した。

 同メディアによると「FHFの主要幹部は約20年にわたり、10代の少女や少年に性行為を強いる広大な性的搾取のネットワークを構築してきたとして告発された。ジャンバルト前会長は、未成年を含む女性選手への性的虐待で有罪となり、FIFAから永久追放されている」と、ハイチのサッカー界で根深い問題となってきた性的搾取の現状を説明する。

「被害者たちは(ハイチにある)『FIFAゴールセンター』を〝この世の地獄〟と呼んでおり、訪問団が(ハイチの)選手や審判、従業員とセックスするよう持ちかけられたという疑惑が報じられている」とサッカーに携わる関係者が性接待に駆り出されていたという。

 そして「ジャンバルト前会長は13年に来訪したブラッター会長のもとに出向くようスタッフに命じたとされている。スタッフの一人は拒否したが、もう一人は当時のFIFA会長と寝ることに同意したとされる。別のスタッフは『選択の余地がなかった』と主張している」と、性接待を受けたとの疑惑が取りざたされているのだ。

 しかし、Josimar誌に対してブラッター氏はこの疑惑を否定。「これらの疑惑や非難は間違っている。これは、私の敵対勢力による組織的な攻撃だと考えている」とした上で「私は13年にハイチを訪れ、いつものように同国のミシェル・マルテリー大統領に歓迎された。サッカー連盟への訪問については、ハイチ連盟のジャンバルト氏も同席していた」と当時の状況を説明した。

 さらに「この報道は根拠のない誹謗中傷だ。このような疑惑を広めたメディアは、法的な結果に直面することを覚悟しなければならない」と同誌などに対して法的措置を取る強硬姿勢を示した。

 FIFA前会長に浮上した驚きの性接待疑惑。サッカー界で物議を醸しそうだ。