フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)の同国代表FWキリアン・エムバペ(23)が残留を決断した裏には、カタールのタミム首長が直々に出した〝狂気のオファー〟があったようだ。

 かねて相思相愛でフリーの身となる今夏の移籍市場でスペイン1部レアル・マドリード入りが確実視されていたエムバペ。一度は口頭で入団に合意したが、あとは契約書にサインするだけの段階で突如翻意してPSG残留を決断したと欧米メディアが一斉に報じた。

 これまでもPSGは額面で年俸2億ユーロ(約270億円)前後を提示するなど懸命の引き留め工作が現地メディアで報じられてきたが、スペインメディア「フィチャージェスネット」はさらに仰天の契約条件を指摘した。

「PSGからは首長の家の鍵や、スポーツディレクター(SD)や監督の座、さらにはクラブのオーナーになることまで提案されている」。PSGのオーナーである「カタール・スポーツ・インベストメント」は政府系投資会社。アルケライフィ氏が会長を務めるが、実質的なトップはカタール国家の頂点に立つタミム首長だ。

 エムバペはそのタミム首長の自宅の鍵、つまり自由に出入りすることを認められたという。これはカタールでごくわずかの要人にだけ許される超VIP待遇。今後の人生をカタールが国家を挙げてサポートするという証と言える。その具体的な例の一つとして、PSGではエムバペが望めば編成を担うSD職、監督に加え、オーナーの座まで確約したというわけだ。

 やはり最後はカネが決め手となったのか…。