アルゼンチン代表の英雄であるディエゴ・マラドーナ氏(故人)が1986年メキシコW杯準々決勝イングランド戦で「神の手」と「5人抜き」ゴールを決めたときに着用していたユニホームがスポーツ関連の記念品としては最高額となる約714万ポンド(約11億6000万円)で落札された。

 当時の試合でユニホーム交換をした元イングランド代表のスティーブ・ホッジ氏は先月、イングランドの国立サッカー博物館に19年間展示されていたものをオークションに出すと発表。先月6日に競売会社サザビーズから出品され、4日が締め切りだった。サザビーズは落札者を匿名としている。

 しかし、これで終わりとはいかなそうだ。英紙「サン」によると、マラドーナ氏の母国・アルゼンチンに、このお宝を取り戻そうとするグループがあるという。このグループは、アルゼンチンサッカー協会、マラドーナ氏の家族、そして個人の記念品を扱う会社の人間で構成されているとのこと。

 メンバーの一人は「ホッジ氏は、マラドーナとアルゼンチン協会に帰属するものを無許可で売っている。このユニホームは、アルゼンチン国民が楽しめるようにアルゼンチンにあるべきであり、大富豪が自分のクローゼットに飾るためのものではない」と主張しているという。

 果たしてアルゼンチンにお宝ユニホームが母国に帰還する日は来るのだろうか。