スペイン1部マジョルカの日本代表MF久保建英(20)のブレークへ向けて、ハビエル・アギーレ新監督の手腕に注目が集まっている。

 久保は9日のアトレチコ・マドリード戦で2試合連続の先発落ち。途中出場で攻撃をけん引して1―0の勝利に貢献したが、久保にとっては不満の残る起用となった。

 さらにアギーレ監督による試合後の発言も物議を醸した。久保が先発から外れた理由に練習態度を挙げ「私は気に入らなかった。彼は気力がなく、冷めていた。居場所を見つけられていないようだった」などと厳しく指摘したからだ。

 だが、期待の若手に対してあえて厳しい姿勢で臨む手法こそが〝アギーレ流〟の真骨頂だ。同監督は若手の指導に定評があり、中でも有名なのが昨年末に引退したアルゼンチン代表のエースストライカーだったセルヒオ・アグエロ氏との師弟関係だ。

 英公共放送局「BBCラジオ」でアギーレ監督は、Aマドリード監督時代に若手のアグエロを指導した際のエピソードを披露。「セルヒオはボールのないところでは、ファンのように試合を観戦しているだけだった」と辛口で振り返り、その後の熱血指導で弱点を克服させた。

 日本代表監督時代にも、就任間もない合宿で若手2人が朝食時間に遅れてくると、他の選手をそのまま待機させて連帯責任を問い、若手に自覚を促した。最近の久保はクラブや代表でも停滞しているため「アギーレ監督のやり方で一皮むけるんじゃないか」(Jクラブ関係者)と期待が高まっている。今季残りの試合で、成長した姿を見せられるか。