イングランド・プレミアリーグのチェルシーの有力な買収候補による〝差別騒動〟で、ファンやサポーターが反対運動を起こして波紋を呼んでいる。

 英紙「サン」などは「チェルシーのファンが、土曜午後のブレントフォード戦の前に、リケッツ家からの乗っ取りアプローチに抗議した」と報じた。

 ウクライナ侵攻に対する制裁により、オーナーだったアブラモビッチ氏の資産が凍結されて身売りすることになったチェルシー。現在は売却先を選定中で4つの候補に絞られているが、中でも有力視されているのが米大リーグ(MLB)を所有するトム・リケッツ氏が率いる投資グループ。MLBの有力オーナーがプレミアリーグに参入する例としてはレッドソックスのオーナーによるリバプールの経営が成功しており、売却先としては問題ないように映るが、なぜサポーターは反対しているのか。

 同紙によると「トムの父ジョーからの電子メールが流出し、彼が『イスラム教徒は私の天敵である』という文面が公になり、リケッツ一家は騒動に見舞われた」。リケッツ一家を率いるジョー氏による人種差別疑惑が浮上したのだ。

 これにチェルシーサポーターが怒りの声を上げて、2日の試合前に抗議行動を展開。「人種差別反対!」などと記されたプラカードを掲げるなどリケッツ一家への売却に反対するデモを行ったのだ。

 同紙は「彼らが実施した調査によると、ファンの72%がリケッツ家がクラブを運営するべきではないと考えている」とファンの間で反対の機運が高まっている。

 チェルシーの身売り問題は難航しそうだ。