イングランド・プレミアリーグのチェルシーのオーナーでロシア人実業家ロマン・アブラモビッチ氏(55)は、ロシアのウクライナ侵攻によって英政府から資産を凍結され、すでに表明していたクラブ売却も行えない状況だ。
そんななか、英メディア「iニュース」が売却の可能性を報じた。
英政府は、アブラモビッチ氏の制裁について「ウクライナの不安定化に関与し、ウクライナの領土保全、主権、独立を損ね、脅かしてきた」と説明し、資産を凍結。しかし同氏がチェルシーを売ることによって、いかなる利益も得ていないことを条件に売却を進めることは可能であるという。会計は英政府関係者が注意深く監視することになる。
同メディアによると、英デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は「現在のライセンスはクラブの売却を許可していないが、政府は売却に前向きであり、それを許可するための新しいライセンスの申請を検討するだろう。そして、その収益は、制裁を受けた個人(アブラモビッチ)が制裁を受けている間は、その個人に渡ることはないだろう」と声明を発表している。
現状のままでは、チェルシーは、今後の試合チケットの販売禁止など、多くの制限が課せられている。また、アブラモビッチ氏の所有下にある間は、グッズの販売、選手との契約更新、選手の獲得もできなくなる。またスポンサーの撤退も相次いでおり、クラブの存続危機といっていい状況となってしまった。
伝統あるクラブを消滅させないためにも、速やかな手続きが必要となりそうだ。