イングランド2部ダービーを率いるウェイン・ルーニー監督(36)の奮闘ぶりが脚光を浴びている。

 イングランド代表や名門マンチェスター・ユナイテッドのエースとして活躍したルーニー監督は昨年1月にダービーの監督に正式就任。しかしここから苦難が始まった。

 クラブの破産申請や財務規定違反などにより、今季の勝ち点21をはく奪される懲罰を受けた。選手も大量退団して3部降格が確実視されていたが、まさかの健闘を見せている。

 現在最下位ながら7勝7敗11分けで、残留圏内のレディングとは勝ち点11差と逆転も不可能ではない状況となっている。

 英紙「アスレチック」はルーニー監督の手腕に注目。「以前トップチームにいた選手は14人だけで、ユース選手たちを呼んでやっと数合わせしたこともあった。だがルーニーはこのような状況で自身の人脈を活用してフリーエージェントで選手を連れてくるなどしてチームをよく編成して現在の成果を上げている。なんとしても残留を果たす覚悟だ」とその指導力を称賛する。

 レジェンドのアラン・シアラー氏によるインタビューでは「チームに残ることに決めた選手たちにはこう言ったんだ。『私たちは難しい瞬間を経験し、降格する可能性も大きい。しかしこれは〝チャンス〟でもある。一生懸命このクラブのためにできることをやろう』とね」。窮地でも腐らず前を向き、並外れた指導力を発揮しているのだ。

 勝ち点マイナス21から奇跡の残留となるか。若きスター監督の挑戦に大きな注目が集まる。