壮絶なマネーゲームに発展しているドイツ1部ドルトムントのノルウェー代表FWエーリングブラウト・ハーランド(21)の争奪戦からバイエルン・ミュンヘンが撤退することになった。

 来夏の移籍が確実なハーランドを巡っては多くのビッグクラブが獲得に名乗りを上げて注目を集めているが、ドイツメディア「SPOX」などが有力候補の一角とみられていたBミュンヘンが撤退の方針を固めたと報じた。「バイエルンの前CEOのカールハインツ・ルンメニゲが『バイエルンはハーランドを獲得しようとはしないだろう』と語った」と指摘。ルンメニゲ氏は今夏に退任しており直接クラブの補強に関わってはいないが、現在もクラブの相談役として影響力があり、ハーランドの件ではクラブが獲得を断念する方針を明かした。

 ルンメニゲ氏が財政面とともに指摘したのが、エースFWロベルト・レバンドフスキの存在。「金銭的な理由だけでなく、レバンドフスキへの敬意と感謝の念からだ」。Bミュンヘンはレバンドフスキを今後もエースとして考えており、ポジションが重なるハーランドの獲得は必要ないというわけ。早々にハーランド獲得から撤退して、以前から退団の可能性も浮上しているレバンドフスキの残留に全力を注ぐ構えだ。

 ハーランド獲得に際しては費用の総額が500億円を超えることや、代理人のライオラ氏への手数料が70億円以上にのぼるなど空前のマネーゲームとなっており、Bミュンヘンは健全経営の観点から早々に手を引いた格好だ。