新型コロナウイルスの「オミクロン株」の急拡大が日本代表をはじめサッカー界を直撃。来年のカタールW杯が延期や無観客開催の可能性も浮上してきた。

 日本サッカー協会はオランダ遠征に参加したなでしこジャパンの選手やスタッフに帰国後の特例措置が適用されず、14日間の隔離が求められることになったと発表。これを受けて、多くの選手が直近のWEリーグに出場できないことになり、リーグ側が4日に予定されていた5試合を延期する異例の決定を下した。なでしこジャパンが12月に予定していた強化合宿も、協会側は「実施はいったん白紙」と説明。スケジュールは大混乱に陥っている。

 来年1月にカタールW杯アジア最終予選を控える男子の森保ジャパンも人ごとではない。現在の措置が続けば相手チームは入国できず、日本代表選手も帰国後の特例措置がないため練習や試合出場が不透明になる。森保監督は1日の取材対応で「現時点ではまだ情報として影響は聞いていない。また今後状況が変わっていくかもしれない」と話すにとどめたが、不安は募るばかりだ。

 そして肝心のW杯本大会の開催も暗雲が垂れこめてきた。メキシコメディア「デポルトレーセ」は「新たなオミクロン株がカタールW杯を脅かす」と報道。「カタールが近く外国人の入国を禁止するとみられる。今後数か月の感染次第で政府は〝鉄のカーテン〟を敷く」とした上で「東京五輪は無観客で行われたが、カタールW杯も開催が危ぶまれる。史上初の無観客W杯となる可能性もある」と指摘した。

 果たしてカタールW杯は無事に開催されるのか。すべてはオミクロン株の感染状況にかかっている。