サッカー韓国代表が27日、10月のカタールW杯アジア最終予選シリア戦(7日)とイラン戦(12日)に臨むメンバーを発表したが、スペインで絶好調のMF李康仁(イ・ガンイン=20、マジョルカ)が落選した大きな波紋を呼んでいる。

 韓国で「至宝」と呼ばれる李は今季移籍したマジョルカで存在感を高めており、22日の強豪レアル・マドリード戦では初ゴールを奪うなど活躍。低調な内容が続く韓国代表の救世主として期待が高まっていたが、まさかの選外となった。

 韓国メディアはこぞってパウロ・ベント監督による招集方針を猛批判。「MHNスポーツ」は「ベント監督はなぜまた李康仁を無視したのか」と糾弾した。

「李はマジョルカ最強のRマドリードを相手に素晴らしいゴールを爆発させて期待を高めた。しかし期待とは異なり、李の名前は選出リストになかった」としたうえで、ベント監督による説明を報道。「李のポジションとかぶる選手が他にもいて、この選手たちは他のポジションもできるからだ」と指揮官はユーティリティー性を重視した。

 しかし、李の落選に納得がいかない同メディアは「ベント監督はひいきの選手を繰り返し招集するなどかなり〝閉鎖的〟な傾向が強い性質だ」と李の冷遇を疑問視した。

 韓国では至宝の李に対する期待感が強い。指揮官の好き嫌いで李が不当な評価を受けているとの批判が広がっており、今後は波紋がさらに大きくなりそうだ。